第21話 四週間休み無しで過労寸前!!

 また三月最終週を迎え、島の作物についての回答の入っている封筒が朝届いた。


 今日から、新人が入り始め、今週末には新人が全員揃う。

 バイトチーフに新人の指導は任せるが、毎年の事ながら物覚えが悪いのはそれぞれ能力差があるからいいとして、覚える事に創意工夫や覚える気が無かったり、自分は出来るといいつつ仕事が出来ない、同じ失敗をしても自分の事はスルーして他人には激辛な対応をするタイプが一割は必ずおり、改善が見られなければ首にしなければならず、女性社員にはありがちな部下に舐められる現象が起きる事が多く、それらを想定すると今からうんざりしてくる。 

 面接を数百人単位で行い経験を積んだおかげで、チンピラ紛いの人間を雇う事は無くなってきたが、それでも狡猾な人間を全員見抜く事は本当に難しい。

 モラハラ体質の人間は得てして外面が良く、隠し取りをし、それを他人に見せないと亜夢が正しかった事を証明できなかった事も在る。

 モラハラ体質は詐欺師だと亜夢は認定している。

 詐欺師に何を言った所で騙されるので、誰もが一目で嘘が分かる証拠を押さえる必要性があるのだ。


 この職場に応募してくるのは給料や拘束時間はブラックなものの、確実に一日一回分の食事を確保出来るので、切実に生活に困窮している者ばかりなので、辞めずに残る人間はこの職場に必死でしがみつく。

 仕事のきつさゆえに、必死な人間しか残らないので、夏を過ぎれば働きやすい環境が整うのでそれまでの我慢である。


 仕事から帰宅し、いつも通り裸でベッドに入り、うつ伏せでいつものように報告書を読む。

 読もうとしたが、疲れが溜まっていたせいか報告書を手に取ったまま眠ってしまった。


 

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