第4話 そうだお土産を買おう
デパートで買ったのは、某アロマショップのマヌカハニーと、お土産専門店で定期的に自分で購入して使用中の北〇ハッカのエッセンシャルオイル。
マヌカハニーは、滋養強壮・天然の抗生物質=殺菌作用で風邪予防。
北〇ハッカはミントティーや、頭痛、おしぼりの殺菌、鼻づまりの緩和、熱帯夜の入浴剤と色々使えて便利。
他のミントではなく、北〇ハッカがいい。
添加物が無いのにハッカキャンディーそのものの香りで万人向け。
直接肌や粘膜につくと、冷感と刺激に悩まされるので要注意。
痴漢撃退スプレーにもいいかもしれない。
お土産を選び終わり、お店に向かう道中これが最後のお店までの道徳かと考えると感慨深い。
出会いは、居酒屋に就職して一年目経つ3月の終わり頃に、激務と人間関係に疲れ果てていて新人にはなんだかんだと休みは週に一度まで与えられず、残業代は雀の涙でその時も一か月ぶりの休日で、毎日仕事と家の往復で生きる意味を失い、休みの日にも何をするかが全く浮かばず、お腹は空くが食材が調味料しか無いので、取りあえず外に出る事にした。
札幌に越してきてから唯一乗った事のある線のJRに乗り、小樽までやってきた。
人混みが苦手なのと、少し札幌から離れれば何となく旅行しているような気分になれる気がした。
全国的に有名な区画をうろうろして、そこでしか食べられないアイスクリームを食べたり、回らない寿司を一年ぶりに食べたり、たこ焼きの巨大なものを食べたり、七色のソフトなるものを食べたり、食い倒れの街並みに所々で何かを食べつつ、ガラス工芸品とかオルゴールとかパワーストーンショップとかオルゴールとか一日かけてみて回った。
そろそろ帰ろうかという時に、赤毛のアンを思わせる5LDK位の少し大きめの二階建ての家を見つけた。
そこからは家庭料理の美味しそうな匂いが漂ってきて、思わず匂いのする近くまで寄って匂いを嗅いでしまった。
「あら?お客様?」
声に振り返れば、中肉中背のアラフィフ位の白髪交じりのマリラを優しくしたような感じの女性が声をかけてきた。
「いえ、あまりに良い香りがしたもので、つられて近づいてしまいました」
下手な言い訳をしても、恥の上塗りになるだろうと観念して正直に話した。
「そうよね。キャンセルの電話があったから今日は料理の試作していただけだもの」
「お店なんですか?」
「そうなの。隠れ家レストランて知ってる?趣味でやってるから儲けは考えずに一日一組だけお客さんを招いているのよ。今日は一週間前にキャンセルが出たから、料理の試作をしているの」
「確かに温かみのある素敵な家ですよね。こんな家で食事が出来る人は幸せですね」
「あらあら、ほめてもらえて嬉しいわ。そうだ試食してくれる人がいると嬉しいのだけれど、よろしかったら家に遊びに来ませんか?美味しい紅茶もありますよ?」
そうふんわりと微笑んでくれる女性に、人見知りのはずの私は何だか甘えたくなった。
「ご迷惑でなければ、ぜひお伺いさせてください。お金もちゃんと払います!」
「うふふ、いいんですよ。お願いして試食をしてもらうですから、こちらがお支払いしなくてはいけない位でしょう?どうぞ」
そういいながら、玄関のドアを開けてくれた。
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