3. ねんがんの たてがめんをてにいれたぞ!

 みなさま、縦シューはお好きですか。

 私は大好きです。


 最近書き始めた連作短編小説『旭川千秋は撃ち落とせない~レトロゲームと古本屋~』という作品があるのですが、お話の流れの都合上、シューティングゲームをメインの題材として扱っております。

 そのため、現在進行形でレトロなシューティングタイトルをプレイしまくっています。たーのしー!




 ……あ、えーと、それで終わっちゃうとダメですよね。

 まあ楽しいのは確かなのですが。


 それでですね、第一話のお題のゲームとして、ケイブの『首領蜂どんぱち』を選んだのです。

 もちろん、古本屋という設定上、お話中では基盤などを扱っているわけではないので(扱ってもいいのかもしれませんが、あまりに現実離れしているような気がするので)、PS移植版を用いることにしました。

 ただ、コイツには罠がありました。

 それは「横画面だとができない」という致命的な罠が。


 普通、縦長画面の縦スクロールシューティングの移植の場合、横画面でのプレイが一般的であるため、表示は小さくなるものの、画面中央に縦長の画面が固定されて表示されるものです。

 ですが、このPS版『首領蜂』は違うのです。

 画面の左右いっぱいに表示してくれます。大きく表示されるのはいいことですね。でもそうなると上下のサイズが足りない。じゃあどうする? 自機の動きに合わせて上下にスクロールすればいいじゃん! みたいな感じなのです。

 それでどうなるかというと、要するに「見えてはいないけれど、表示されていない範囲に敵や弾が存在する」という状態です。

 これは本当に致命的です。死ねます。死ぬがよい。

 だって敵がいないと思ったら画面外から弾が突然飛んでくることもあるんですよ!?

 こんなの、勝負どころではありません。


 そうなると、アーケード同様の縦画面モードでプレイするしかない、となりますね。

 画面を縦にしなければならないのです。でも、どうやって?

 まあ、お話の中ではを使って液晶ディスプレイを縦置き状態にするとして解決しておりますが、私自身は持っておりません。

 前々から何度かお話しているとおり、私がゲームプレイシーンを書く際のこだわりとして「ちゃんと自分でプレイしてから書く」というのがあります。

 このままではちゃんとしたプレイが書けない! ディスプレイアームを購入しないと書けないのか!? それとも横に寝そべってプレイするしか!? と悩みました。

 そこでふと、気づいたのです。簡単に縦置きにできるディスプレイが手元にあることを。

 『PS Vita』です。

 幸い、私のPS版『首領蜂』はPSアーカイブスで購入したもの。もちろん、Vitaでもプレイ可能です。

 キーコンフィグで方向キーの入れ替えも可能ときた!

 やれやれ。これは完璧だ……完璧すぎる。


「ねんがんの たてがめんをてにいれたぞ!」


 かくして、仕事の行き帰りの電車の中でVitaを縦に構えて必死にプレイする変な人が誕生したのでした。

 ……殺してでもうばいとるとか、しないでくださいね。




 なお、画面の下に方向キー、画面の上にボタンが配置されているため、プレイしているうちにだんだん持ち方が斜めになっていくという欠点があるのですが、そこは仕方なしです。

 この点においては、『ワンダースワンWS』の最初から縦持ちを考慮して配置されたボタンというのがすばらしいなあと思ったのでした。

 残念ながら、WSにおいて縦シューはほとんど発売されなかったそうで……。

 もし後継機が出ていたら、過去の縦シューがバンバン移植されて、夢の縦シューライフが送れたかもしれないなあ……、と妄想するのでした。



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