嗤う看護師
@2017kake
第1話 オープニング
俺の名前は柳田洋一。
地元の大学の看護学部を卒業し、就職して3年目のナースマンだ。
「次の病院、どうするの?」
俺は職場を変えたいと思い、只今師長と面談中だ。
『地元に戻って、探したいと思います。いろいろと考えたんですけどね‥』
嘘だ。
3年目という一通りの業務を習い、自立した俺は次の科へと移動希望を出したが周りの先輩を見てそれが“希望”ではなく〝絶望〟に近いものだということを感じた。
師長
「あなたにはまだまだこの病院でいろいろ学んでもらいたいわ、ムードメーカー的な存在も私は評価しているのよ」
『ありがとうございます。この病院で経験を積むのもいいかなと思っていたんですけど、3年目で区切りを付けて新しい病院、領域に飛び込むのもありかなと‥』
師長
「‥決意は固いのね?」
『はい』
師長
「そう‥。残念だけど、それじゃ仕方ないわね。私から看護長には伝えておくわ。退職が正式に決まるまでは他のスタッフには内密にね」
はぁ…。やっと終わった。
師長は入職と同時に上京してきた俺をやさしく見守ってくれていた。
夕暮れのナースステーションには後輩が1人、カルテとにらめっこしていた。
ハル
「先輩、師長と面談ですか?長かったですね。」
『あぁ…春の面談は来年の係とかの話しと去年の反省とか込み込みで長く』
ハル
「嘘つかなくていいですよ?」
『…』
ハル
「飲みに行きませんか?」
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