第2話 『かいじゅうせんそう』
ある日、ぼくは街の中を歩いていました
急に大きな地鳴りがして
ドスン・ドスン
という音が聞こえてきました
「怪獣だ!」
そう思う間もなく
ビルの谷間から
ルドンの絵のような
怪獣さんの頭が現れました
そうして、ぼくと
目が合ったのです。
「大変だ、食べられてしまう。」
ぼくは、ビルの陰に隠れました。
ところが、間もなく
反対側のビルの間から
またもや怪獣が現れたのです。
ぼくは逃げました。
他の人も同じように逃げてはいたのですけれど
でも、なぜか怪獣は僕を狙っているようなのです
もう走り回りました!
ぼくは、やっと、うまい具合に
丁度良い隠れ場所を見つけました
「やれやれ」
そこには、先に一人の女性が避難してきていました
「どうも・・・」
僕は言いました。
彼女はにっこりとほほ笑みました
ところが
突然その女性は、巨大な怪獣に変身したのです
いえ、その人だけではありません
まわりにいた人たちみんなが
怪獣になってゆくのです
「わわわ!」
僕は逃げ回りました。
でも
もう、どうすることもできません
このまま、食べられてしまう事は
間違いなし!
そこで、ちょうど
五時のチャイムが、街に流れました
すると、どうでしょう
怪獣さんたちは
見る間にすーっと小さくなって
人間になりました
「お疲れー! またあした遊ぼうね!」
一番恐ろしかった怪獣さんが
手を振りながら言いました
そうして彼は
地下鉄の入口から帰ってゆきました
ぼくは
何にもなかったように
同じ塹壕のような地下道から
バス乗り場に向かいました
ちょっと怖かったけど
楽しい夢でしたね
今夜もいい夢を!
おやすみなさい・・・
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