蒼雪

できれば私は蒼い雪となりたいのですが

お許しをいただけますか?


1を知って10を知るのではなく

1を知って千も億も知ってしまうのもいい

しかし荷が重すぎるとつぶされてしまう

だから私は蒼い雪となりたい


日陰の白い雪ならば

誰に汚されることもないでしょう

しかし私はひなたの雪

太陽の光に耐えられるほど 強くはないのです

溶けて汚れてしまうなら

いっそ蒼い雪でいたい

もとより色を持っていたい

人がそれを雪と認めずとも

私にとって

それが精一杯のような気がするのです


蒼い雪ならば

光の中でも雪としています

たとえ溶けても

私は蒼い雪であったと

誇れるものがそこにあると信じています

純白の雪だけが雪ではないと必ず言えます

見るに耐えない蒼雪となるか

いつのまにか“当たり前”の蒼雪となるか

今の私には断言できないけれど

ただ一つ知っていてほしいのです

雪の全てが白いのは

色のついた雪が憧れたのと

白という色に人が狂ってしまったからなのです

それでもあなたは 白い雪に恋をしますか?



              ~蒼雪~

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