第5話「狂い咲きサンダーボーロ」

(ヤンヤンつけボー様だって...!!)



「そうだ、ヤンヤンつけボー様だ」



(あの...、容器の中が三分割で仕切られていて、なおかつ棒とチョコとカラフルなトッピングで別れているあの...ヤンヤンつけボーのことか!!!棒をチョコに付けてそのあと好きにトッピングをコーティングしてから食べるあのヤンヤンつけボーのことか...!!!正直容姿が全く想像できない...!!!!)



「着いたぞ」


「はや」



さっそくヤンヤンつけボーが王として君臨している王国へと連行されてきた良夫。


金色のヤンヤンつけボーの外箱をモチーフにした銅像に目を奪われる。


「ここだ、入れ」



連行されたまま大きな扉をくぐるとそこにはヤンヤンつけボー様が鎮座しているではないか...!!


「お前がヤンヤンつけボーか...」


「こら!様を付けろ様を!!」



そのまんまではないか!!!


もしやパッケージのパンダがそのまま座っているのかと思いきや、そこに鎮座するはまさしく子供のころによく食べたヤンヤンつけボーそのままだ!


少し大きなヤンヤンつけボーがそこに座っている!!


「お前、そのまんまじゃねーか」


「わしがそのまま..?どーゆーことじゃ?」



なんとびっくり、パッケージのパンダのイラストがしゃべりだしたではないか!


なるほど、お前が本体か。


きっとこのパンダ自体を倒さなければ別の箱に転生して永遠に生き続けるタイプのラスボスだ。


きもちわる。


「わしを知っているのか、人間よ」


「知ってるもなにも...お前にはガキの頃よく世話になったよ...」


ボーロもチョコベビーもみな困惑している。


いいぞその調子だ良夫。


「そうか、わしはお前に会った覚えはないがな」


「そうかよ、じゃあ一つだけいいか...?」


「なんじゃね」



(これを...いう時が来た...)



良夫、断腸の思い。


「お前、スティック食べ終わったあともチョコがめっちゃ残るんだよ!!スティックに対してチョコの量が多すぎ!!それに箱の構造的に残ったチョコも食いにくいんだよバカやろーが!!!」


「!!!!!!!!!!!!!」




その場にいた全員が凍り付いた。


「なんたる侮辱...!!!!!!!!!!」




良夫、ここでそれは絶対的な禁句なのだ....!!!

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