第88話 やっぱり無い。
ご主人様の悲鳴が室内に轟いた。
それを聞いて、今でゴロゴロしていたB子が慌てて声がした風呂場へ駆けつけた。
「ご主人様、あれほどたっちゃんに手を出すなと言ったでしょ!」
「何だその笑い顔わ!」
笑いながら真っ先にやってきたB子にご主人様は突っ込んだ。
「いや、そうじゃねぇ! そうじゃないんだ!」
「だからどうしたと」
「無いっ」
「はあ?」
「だから、無いんだよっ!」
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