第84話 秋葉原探訪(その21)
「それにしてもこの派手なコスプレ衣装の山は……」
「一昔前だったらこの手のショップのコスチュームは看護婦とかバニーガールとか、その手のシチュエーション物ばかりだったんだがのぅ」
「詳しいな、とかそう言う事はたとえ神様が相手でももう突っ込まない事にする」
ご主人様は溜息を吐く。
「つーか学生服っぽいものばかりって……」
「エロゲーのヒロインの衣装ばかりですね、例えばコレは……」
A子は次々とその衣装の元ネタであるエロゲーのタイトルを列挙していく。
「詳しいな、とかつっこまんぞ。大体それ、お前の部屋の荷物で見かけたモノばかりだなおい」
「最近は女性もエロゲーマー多いですから。ヒロインの衣装を着たい人も少なくないのでしょう」
「そんなものか」
「現に、私が不断着ているメイド服はメイドさんがヒロインのエロゲーが元ネタです」
「おいぃ」
「しかもオタク向けコスプレ専門店で注文した特注品で、結構値が張りました」
「……いくらだ?」
「10万」
思わず吹き出すご主人様。
「市販品のを買った方が安かないか?」
するとA子は考え込むように暫し黙り、溜息交じりに、
「私のサイズが無いんです」
「済まん」
「ちょっとしたオーダーメイド服だろうなあ、メイドだけに」
そう言って金屋子神は独りクスクス笑う。しかしご主人様たちはガン無視。
「これはガ○ダムの連邦軍兵、そっちはジ○ンの軍服だな、女性士官の」
「個人的にモンハンの衣装なんか欲しいんですけどね」
「オトモアイルーか」
A子はご主人様の足を蹴った。
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