第29話 B級グルメ

「ご主人様、今年のB1グランプリは『甲府鳥もつ煮』に決まりましたね」

「マスコミなどの事前の取り上げ方が凄くて、ちょっとフェアじゃない気もしたなあ」

「でも最終的には味が勝負ですし」

「まぁそうだな。しかし富士宮、横手、と優勢だった焼きそば勢がついに落ちたか」

「モツ系はこれで2つ目。次は何でしょうか」

「次かあ。やはりしばらくモツ系が続くんじゃないかな」

「私は魚、特に練り物系が来るんじゃないかと」

「練り物というとかまぼこか」

「この公式ページをご覧あれ」


A子は液晶モニタを指した。


「来年は兵庫県で大会が催されます。丁度そこにはあのおでんの種のカネテツデリカフーズの本社があります」

「んー?」

「カネテツが何か仕掛けて来そうか、って? 流石にソレは無いのでは」

「まあ、私も深読み過ぎとは思ってますけど。ただ、兵庫のB級グルメは『姫路おでん』なので、来年は変わり種のおでんで勝負してくるのもありかと」

「例えば?」

「『上島竜兵盛りおでん』とか」

「いやそれ料理ですら無いから!」

「あと、2位の『ひるぜん焼きそば』の扱いで気になることが」

「?」

「マスコミが面白いくらいスルーしてるのは何故でしょう?」

「言われて見れはどこも取り上げてないな」


するとA子はキリッとした顔で睨み、


「2位じゃ駄目なんですか、2位じゃ?!」

「マテ」

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