第16話 なぞなぞ

「ご主人様、なぞなぞです」


帰宅後、ご主人様がシャワーで汗を流していると、A子が浴室の扉の向こうから謎掛けしてきた。


「真っ昼間なのに空が黒いの、なーんだ?」

「? 日食?」

「ブー。正解は天井を」


言われてご主人様は仰いだ。

そこには何と、黒カビにびっしり覆われた天井が。


「うぉいっ!? 何で天井がこんな酷い事にっ!」

「浴室は湿気っていますから、通気を良くしないと……」

「いや、そうじゃなくて! 何でこんな酷い事になるまで放置していた?」


ご主人様は詰問するがA子は何故か沈黙する。


「おい!」

「……届きません」


小学生サイズのA子は扉の向こうでピョンと跳びはねてみせた。


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次の休日。ご主人様は天井に手が届かないA子に代わり、渋々、脚立を使って浴室のカビ取り作業を行った。


「塩素洗剤って目にしみるよな……ちっちゃいメイドはこういう時、役に立たないよなあ……」

「デカけりゃ良いってもんじゃないですけどね」


A子は浴室の入り口でふんぞり返っていた。


「胸は無いのに態度のデカいメイドというのもなぁ……」

「酢、置きますね」

「やめろぉ!」

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