第7話 女だからいいんです
「今日も暑かったなぁ」
「夏ですから」
「汗も掻かずに涼しげに言うなぁA子。今朝からクーラーの調子悪いんだろ?」
「はは、男の癖に情けない。これくらいの暑さで泣き事ですか?」
「ぬっ……くっ」
ご主人様はメイドドレスを着て毅然としているA子を悔しそうににらんだ。
「……しかしそんなに着込んで暑くないのか?」
「心頭滅却すれば火もまた涼」
ゴトッ。
「何その足下に落ちてきた冷却剤の塊」
「女だからいいんです」
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