第26話 ぼくの論文その2

ぼくのコンビニ論文七つ

・おにぎりの原価計算、人気のある具

・サラダ巻きを和食認定

・口紅とリップクリームの売上比較と人気の比較

 四十代以上の女の人しか口紅を好まないこと。

・ジュースを入れる冷蔵庫の商品の比較

・メロンパンの普及(メロンパン選手権二位のパン職人を普及)

・乾電池の改良(単一から単四まで)

・万引き統計

 十代少年に万引きは多く、お金のない大人の女性に万引きが多い。


ぼくの造幣論文五つ

・一円玉を曲げるのが流行ったので、一円玉の強度を上げた

アルミ合金を別の技術者が改良した。

・五円玉の御縁があるかの研究

おさい銭研究

・十円玉の手垢の汚れの研究。

 十円玉が輝くようになった

・五百円玉の流通量の増加

 当時、五百円玉は日本人の憧れだった。

・コインケースの改良

 五十円玉と五百円玉の場所がなかったので、一体化したコインケースを開


ぼくの食文化論文五つ

・名前のない料理の名前の研究

・フランス料理のメニュー、お品書きの料理名の翻訳

・机、椅子のデザインの研究

 当時は、椅子のデザイナーは不遇で、製造元の社員が適当にデザインしていた。

・薬味のまとめ。わさび、しょうが、みょうが、しょうゆなど。

・給食の食文化を四校で取材して紹介


ぼくの文学論文

 2016年前後に「1000冊読んだら文学博士」という政府の決定を聞いて、2ちゃんねる文学板の三浦に論文の作法を聞いて、文学論文を書いた。


・小説に本番性行為があるかないかは小説の面白さと相関はないという統計

・純文学に散見される空想科学小説のアイデアについて

 村上龍「五分後の世界」。笙野頼子「金毘羅」、奥泉光「鳥類学者のファンタジア」、三島由紀夫「美しい星」、森見登美彦「四畳半神話体系」、カント「純粋理性批判」の時間移動の記述、など。


この二つは指導教官三浦、査読者三浦。


・メタフィクションについての注意点

 アリストテレスの「形而上学」はギリシャ語で「メタフォルス」という単語であるが、これはミステリ界隈で頻繁にいわれる「メタフィクション」とはまったく異なる概念であること。

・三国志論文、六十枚。

・京極夏彦論、二百枚。

・源氏物語の性愛の表現は「部屋に入った」「結ばれた」であること

・南総里見八犬伝について

・空想科学小説のアメリカ黄金時代以前の歴史について

 宇宙海賊はE・E・スミス「銀河パトロール隊」であり、スペースオペラとはハミルトンの「キャプテンフューチャー」であること。


文学板にいたら心理学者の女性に依頼された美容論文

・おっぱいの美容について経済学者の意見

 当時の日本の女性はおっぱいの美容に年間十九万円を使っていたこと。

・オシャレな女性用かつらのすすめ

 女性用かつらはモデル、女優だけでなく、髪型で遊びたい女性に想像以上に役に立つこと。

・美容について

 すっぴんはいまいちな女性が化粧によって安価に安全に美しくなれるというニコ生放送の紹介

・髪の染色の色番号指定のおすすめの色番号の紹介


神学論文

 ぼくはバカにしていた神学について、神学者をからかう神学論をいくつか書いた。

・Q資料。

・原始仏典について

・原始キリスト教について

 三位一体を定めたニケーア会議以前のキリスト教を原始キリスト教と定めた


怒りの哲学論文

・田辺元

 第二次世界大戦を生きた哲学者を俯瞰して、外交筋がどれだけ京都学派を攻撃したのか想像をまじえて、田辺元が平和主義者だった可能性を探る。

・西田幾多郎

 「絶対矛盾的自己同一」が当時のアメリカSF小説黄金時代でも見たことがない独創的な唯一無二の時間論であること。

・キルケゴール

 キルケゴールの本名はデンマーク語でキルケゴールであり、キアゲゴーというのはドイツ語読みであること。

・カント

 カントについての誤解、まちがえやすい注意点について。

・プラトン

 「西洋哲学はすべてプラトンへの注釈である」と書いたホワイトヘッドの文献がいまだ見つからないこと。

注※「西洋哲学はすべてプラトンへの注釈である」ということばは、ホワイトヘッドの「過程と実在」に書かれている。


歴史論文

・歴史学へ遺伝子研究による裏付け証拠をつけるための苦肉の策

・天皇家や宮内庁がライバルの武家文化を格好悪くなるように改竄していること

 「ちょんまげ」はまげを結うのが下手な武士への悪口であり、武士の大半はふさふさのまげであること。など。

・縄文時代の日本では、ヒトよりクマのが数が多かったこと。

 霊長類研究所の協力により。

・邪馬台国論争が八幡宮神社の神主の移動で説明できること。


古人類学論文

・霊長類という枠組みを特別扱いしないなら、人類はリンネ博物学で、ネズミ類サル科ヒト属であること

・アフリカ起源説による歴史文化再解釈の念押し

・東南アジアの探検家はポリネシアを経てアメリカ大陸にたどりついたか否か


以上。

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