彼女は寿司ガール

猫寝

第1話 寿司と僕と○ネタと

 恋人とめくるめく熱い夜を過ごした次の日の朝――――彼女を腕枕していたはずの僕の左腕の上に、寿司が乗っていた。

「――――――おはようりっちゃん…」

 とりあえず挨拶してみる。

「……あ、おはようカズくん…ゆうべはお楽しみでしたね」

 寿司が喋った……夢か、夢であれ。

「実は私……あなたに言わなきゃいけない事があるの…」

「……何?」

「わたし実は……寿司なの!」

「―――――――でしょうね!!!」


「私は、人間に化けられる寿司なの。ちなみにイカです」

「いやまあ、見りゃわかるよ」

 白くてツヤツヤしてる。これがイカでなくてなんだ。

「だからたまに、この部屋がイカ臭い時は、私の匂いがうつったのかな…?と思った事もあったけど、大抵はゴミ箱のティッ…」

「おいこらド下ネタ」

「あ、ごめんなさい……私、寿司になると下ネタを言っちゃうタイプなの」

「初めて聞くタイプだな!?」

 寿司と下ネタの関係性はなんだ。

「ともかくアレだ…もう人には戻れないのか?」

「戻れるよ、でも疲れるから出来るだけ寿司でいたい。寿司でいさせてよ!私を、あなたの前では寿司で居させてよ!」

「謎の懇願やめろ」

「カズ君なんだかイライラしてるね、ガリでも食べる?」

「イライラしてる人間にガリをお勧めする意味を教えてくれないか」

「あ、そうか!夜の生活が心配なのね?大丈夫、寿司の姿でも、あなたのものを握ってあげるわ!寿司だけに!寿司だけにね!!」

「黙れエロ寿司ガール」

「―――エロ寿司ガール…!初めて言われたわそんなこと!」

「こっちも初めて言ったわ!今日色々と初めて記念日だわ」

「やあねぇ、私の初めて記念日は3か月前よ。あなたが私の赤貝を…」

「それ以上はいけない。っていうかなんだよイカの赤貝って……!」


こうして、俺とエロ寿司ガールりっちゃんの生活が始まったのだった。

「性の活動!略して性活!セイ!カツ!セイ!カツ!」

「うるせぇ!ちらし寿司にしてやろうか!」

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