私は、夏の日アスファルトで潰されたあの赤い実になりたい

赤い実は何度も車に轢かれた。

ただそこに転がっただけ

原型はとどめず

壊れた事、潰された事、それを訴えるのみ

残ったヘタは頭皮のように

割れた果実の皮は泣いた顔に見え

それすらも潰されて行く過程で版画インクのようにただの色になって行く


罵られ 恨まれ 蔑まれ 名前を付けられ

恥ずかしいと叫ばれながら晒される


プライドを笑われ

それさえ感じる事を赦されなくなった


その亡骸

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