椎本 その十八
まだ夜の明けきらないうちに薫の君は宇治から帰った。八の宮がもう余命も長くはあるまいと心細そうに思いだった様子を思い出しながら、何かと忙しい節会が終わったらきっとまたうかがおうと思う。
匂宮もこの秋ごろには宇治に紅葉を見に行こうと考えて、何かいい口実はないものかと思案を巡らせていた。
手紙は絶えず宇治に差し出している。姫君のほうでは匂宮がそう本気で考えているとも思えないので、うるさいとも感じず軽く付き合うといった態度で時たま返事を書いているのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます