椎本 その十六
八の宮は、
「ここまでお引き合わせしました上は、あとのことはお若い人たちの自然の成り行きに任せましょう」
と言い、仏間に入った。
われなくて草の庵は荒れぬとも
このひとことはかれじとぞ思ふ
「こうしてお会いするのもこの度が最後となるだろうとなんとなく心細い気がするのに堪えかねてつまらぬ愚痴を多く申し上げてしまいました」
と八の宮は泣く。客の薫の君は、
いかならむ世にかかれせむ長き世の
契りむすべる草の庵は
「そのうち相撲の節会などで宮中の公事に追われる忙しい時が過ぎましてから、またお伺いいたしましょう」
などと言うのだった。
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