排除
岡田輝
第1話 アポロ市自由党
「万歳。万歳」平成21年4月26日高杉涼はアポロ市市議会議員選挙に高得点で3度目の当選を果たした。
平成13年当時のアポロ市市長中田士郎に背中を押され初当選してから3度目の当選である。
アポロ市は自由党保守王国で知られる有名な町である。市内22地区に分けた連合を築きそれを基に候補者を擁立し議席を確保し続け数期前までは常に一党で議会過半数を維持してきた。自由党あらざる者市民にあらずとまで言われた。過去には自由党アポロ支部とは言わずアポロ市自由党と呼ばれ永田町に都内事務所があった程だ。アポロ市は市政80年の歴史がある。市政当初は機械産業が全盛で栄え機械のまちアポロ市と呼ばれていた。歴代市長もほとんどが機械関係の方が就任している。又、公営ギャンブル競輪もあり財政的には非常に豊かなまちであり県に頼らずに市政運営ができる程のまちであった。当時はアポロモンロー主義と言う言葉まで現れた程だ。まさに戦後の高度経済成長を象徴する地方都市である。この様な所謂成金都市では金のきな臭い話は後を絶たない。それは現在でも変わらない。
しかしバブル崩壊後の失われた20年はアポロ市も例外ではなかった。公営ギャンブル競輪の利益も全盛期の3%。3%減では無く97%減だ。100億の利益が3億になったと言う事だ。又、機械産業も全盛期600社加盟していた組合も今や60社。実際に営業しているのはそれ以下だ。市財政も急激に悪化。借入金は2,500億円を超えている。
しかしそうは言ってもアポロ市は人口65万人の大都市だ。予算も年間の一般会計の予算は約1,800億円。特別会計を合わせると3,500億円を超えるほどの予算を持つ大きなまちだ。首都東京に隣接している好立地と言う事もあり全国的に人口減少が叫ばれている昨今であるがアポロ市は現在でも毎年人口が増加している。
しかし時代と共にアポロ市自由党も独立採算は止め、永田町事務所も閉鎖し自由党アポロ支部と名称も改めた。
議会構成も近年は流石に一党過半数とはいかなくなったが常に第一党を保持し盟友民生党と共に議会を牛耳っている。今やきな臭い話は民生党とセットにもなっている。
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