第46話 チュウさんの弟子!?

「ほらみんな急げ~」

「はぁ、一体どうしてこんなことに」

 ことの始まりは今日の朝

「すっかり秋ですねぇ」

「そうだな、まるで夏をすっとばしたかのような秋だ」

「ずいぶん気になる言い方ですね」

「まぁな、しかし秋か、秋は読書と芸術とスポーツ以外やってはいけないらしいからな」

「また天才塾ルールか」

 説明しよう!天才塾ルールとはチュウが以前通っていた塾のローカルルールのこと。

例)12月24日 男祭り

  1月1日 キムチ投げ大会 など

「そうだ、スポーツ、スポーツとひえば登山!みんな山に行くぞ」


「でなぜか山に行くことになって」

「お人よしにも自分ら全員ついてきたわけだ」

 今現在チュウさんたちは天才塾所有地天才山へとやってきていた

「今どれくらいだ?」

「天才マップによると7合目くらいみたいだ」

「ペース上げるぞ!」

 こうして彼らは意味もなく山を登るのでした


「ついた~」

「大していい景色じゃありませんね」

「ホント、ホント」

「曇ってるしな」

「ホント。ホント」

「なにをいうお前ら、ここから見える天才大神社は・・・あれは移転したのか」

「神社って移転するかふつう」

「ふつうじゃないんですよ天才塾は」

 すると自分たち以外にもこの頂上にいることに気が付く

「誰かいますね」

「あれは絵描きか?キャンバスに絵の具、間違いない」

「ほほう、話しかけてみるか」

 そういうとチュウはその人物に近づく

「絵、描くんですか?」

(見りゃわかるだろ)

「え、はい」

 女性、いやまだ10代の少女だった。

そしてチュウは見た、彼女の絵を、ふつうにうまい絵を。

「うまいな」

「え、そうですかでもなにか足りないんですよね」

「ふーん、じゃあここを」

 と彼女の使っていない筆を取り、青い絵の具を筆に直接つけると彼女の絵に一本線を書き込んだ。

「え、なにするんですか!!」

「思い切りが足りない」

 そういうとチュウは彼女の元を離れた。


「ふっ完璧」

 バカとエビフライさんの二人にほぼ同時に殴られた。

「なにやっとんじゃお前は」

「いや天才からアドバイスを一つ」

「やかましか!もう帰るぞ」

「ホント今日なんできたんですかね」

「???ナニガイケナカッタノ」


次の日

ピンポーン

「バカ~でて」

「このくそめんどくさがりが」

 そういいながらも玄関に向かいドアを開ける。

「はいどちら・・・」

「こちらに戦田ヶ原さんがいらっしゃいますか!」

「うおハイテンションッ」

 ドアを開けた瞬間いきなり大荷物を抱えた女が入ってきた。しかもその女には見覚えがあり・・・

「ん?あんたたしか天才山にいた」

「あっ!師匠!」

「師匠だぁ?」

「はい」

 女はずかずかと部屋の中に入ってくる。

「え、昨日師匠から受けたアドバイス通りに絵をかき進めていったらどんどん傑作が生まれていって、あなたと一緒ならさらによい作品がみたいな!」

 チュウの手を握りながら温度差を発生しながらガンガン迫ってくる。

「というわけで部屋貸してくれませんか?ここアパートですよね」

「まじかよ・・・」

 こうして一人変な女が増えた。

「これは厄介な・・・はぁ」

 チュウの世界はまだまだ広がる・・・。

                                  つづく

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