第45話 チュウさんと、の巻

・チュウさんと朝

朝5時、チュウはこの時間決まってやることがある。それは趣味ともいえるし習慣ともとれることであった、それは新聞は誰よりも早く読むことである。

この行為に意味があるのかと思うが本人にはある、彼は新聞が少しずれた状態を嫌う。そうなっていないのは最初に貰った時のみ、だから最初に読むのだという。

「今日も無事最初だ」

 そしてポストから取り出すとその場ですべて読んでしまう、そして玄関に投げ捨てて置くのだ。

次にチュウさんがやることそれは

「さてと寝るか」

 二度寝である。


・チュウさんと目覚め

二度寝のあとチュウさんに最初に接触する人物はナナシである。大体9時くらいになるとチュウを起こしに彼の部屋に行く。ちなみに一番遅い。

「チュウさん朝ですよーって起きるわけないか」

 これを何年も繰り返しているためもう起きないことはわかっているのだがどーにもこれから初めてします。

「よしじゃあ今日はこの手で・・・」

 そして起こすほうも楽しみをつけてくる、ナナシは彼の周りに糸を張り始めた。

彼がちょっとでも動けばあたりそうな位置に何本も、その糸は他の糸とも連動しており糸の一本にでも当たればその罠が作動するようにできていた。

そしてチュウの右腕が動き手が糸に触れた。

 ばきぼきっと痛々しい音が響く

「ぎゃおー」

 あと鳴き声

「おはようございます、もうみんな起きてますよ」

「おはよ」

 チュウさんの体は糸に絡めとられエビぞりからしゃちほこ、最終的にヨガのポーズのような形になってしまった。

「恐ろしい女だ」

 このようにしてチュウは目が覚めるのだ、またこの反動でバカに嫌がらせをしているのだがナナシは気が付かない。チュウも無意識なので気が付かない。


・チュウさんと朝食

んでもってチュウは食卓へとやってくる。食卓にはすでにエビフライを山盛りに作りテーブル前に座っているエビフライさんとチュウが読んだあとの新聞を読んでいるバカの二名がいる。キッチンのほうにはナナシとそれを9割サポートするヨメイドがいる。ヨメイドのおかげで最近はまともな飯が(エビフライは除く)食えてほっとしている2人、なのでそれまでは12時まで起きてこないチュウさんだったが起きてくるようになった。

「この新聞毎日ちょっとずれた状態で入ってるんだよなぁ~誰かが無断で読んでるんじゃないのか?」

「うむ、エビフライは食うだけでなく見るのもよい、腹だけでなく心と目まで満腹にしてくれるとはさすがエビフライだ」

「どーでもいいけど飯まだか?」

「はいはーい」

 だいたい9時頃バカ問メンバー5名の朝食が始まる。

「「「いただきまーす」」」

 ちなみにだがこのうちのテーブルはちゃぶ台2個である。

これは基本床に収納してあり、ナナシが指を鳴らすと出てくる仕組みになっている。これはすべてチュウの親友竹すぎが制作したものである。

「そういえばチュウさん、今日朝電話があって依頼人がきますよ」

「アポイントをとるとはできやつ、で誰だ」

「いえ、名前とかは特にうかがってなかったので」

「そうか、まあいい何時だ」

「はい、13時すぎだとかで」

「昼すぎかまぁいいだろう」

 チュウは仕事がない日は寝ているか金儲けに走る。今回は仕事パートを見てみることにしよう。


チュウさんと昼飯

 今回は仕事パートを見てみることにしよう。

などといったがまず昼飯が先だった。人間何もしなくても腹は減るわけだ、なので仕事も遊びも何もしなくても昼飯は食うのだ。

「チュウさんなんですか、それ?」 

 ヨメイドが聞く

「こいつは納豆セロリヨーグルトほうれん草ラーメンチーズサクランボ和えだ」

「気持ち悪」

「冷蔵庫の中のあまりものを全部突っ込んだんだ、しかたないだろ」

「でも気持ち悪いぞそれ、本当にうまいのか?」

「今それを確かめるんだよ」

 そういうと割りばしを割り、麺から手をつける。その麺に納豆とヨーグルトが少々こびりつき共にチュウの口内へと入っていく、そして汁を飲み言う。

「うまい、わけねーだろ!!!!」

 このあと依頼人が来るまでの時間チュウはずっと便所を占拠していた。


チュウさんと依頼

「はじめましてわたくし犬神一族と申します、あのうお窶れになっていますが大丈夫でしょうか?」

「だ、大丈夫です、ちょっと夢を見ていただけです、味には新しい世界があるという夢をね」

「はぁ」

 依頼人犬神一族(いぬがみ・いちぞく)女が戸惑いながらも以来内容を話だす

「私たちは代々犬を神さまとして祀り、それはそれは大切にしているのですが」

「が」

「その犬が逃げ出してしまったのです」

「はい、要するに探せと」

「はぁい」

 

「意外と大事になるかt思ったらただの犬探しかよ」

「まぁいいじゃねぇか、見つけるだけで20万円の素晴らしい仕事だ」

「でもやりがいのない仕事もなぁ、それに」

 チュウは手に持っていた、一族からもらった、犬(名前はワンダーワン)の似顔絵と特徴の書かれた紙を見る

・犬

・白い

・ふつうの犬よりでかい

・笑う

「わかるかー!!あと最後の笑うってなん」

「おい向こうに笑う犬が出たってよ!!」

「「見つかったー」」


チュウさんと犬

「うん、確かにふつうよりでかいとは聞いていたけど」

「うん、でかすぎね」

 その犬5メートルありけり

「さすがは神というべきか」

「そうですね」

「「ははははっは」」」

 二人は覚悟を決め笑うことをやめる

「いくぞわんこう!自分流真剣の男と」「それに付き添う男を」

            「なめるなよ~!!」


「ありがとうございます」

「はい、しかし尻尾撫でれば小さくなるってなんで教えてくれなかったんですか」

 あのあと一族さんが到着、ワンダーワンの尻尾を撫で犬の大きさは手のひらサイズまでに小さくなった。

「いえ、言おうとしたのですがすぐさま出かけてしまわれたので」

「・・・」

「チュウお前というやつは~」

「いや犬も歩けば棒に当たるってことで!」

「バカ野郎!!!」

 こうして彼らの一日は過ぎる。これが彼らに日常なのだ。

                                 つづく

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