第23話 チュウさん本をだす

「なに!チュウが本をだす!!」

 その一言がご町内中に響き噂になった

「チュウってあの戦なんとかさんの?」「あの変な宗教やってるっていう」「違う違うニセ札作ってるっていう」「人間じゃないっていう噂もあるでよ」「ほんとなにもの、小説家だったの?」

 とにかく変な噂をされる男戦田ヶ原チュウはというと…


ここは出版社 

口だけ出版 おもなヒット本「THE 便器」「楽して儲かる方法500」

「夢から覚める愛のムチ」「アイス当たり棒大全」「笑う」等

「どうも私が今回あなたの担当つまり編集者の真面目打 妥協無です」

「まじめだ だきょむさんよろぴく、しかしよーやく私の時代がきたね」

 したり顔で言う男たしかになぜこの男が本に…

「ナレーターうるさいぞ、それに写真集を出す訳じゃないそうだろだきょむさんよう」

「はい、一種のハウツー本みたいな物です」

「タイトルがたしか「全人類必読!不条理男戦田ヶ原チュウになる方法

2017夏 大ブーム間違いなし! そこの隣のにーちゃんねーちゃんも読んだ最強読本ここにあり」

「はい、売り文句のところまで読んでいただきありがとうございます」

「で俺がオレみたいになるためにはみたいのを書けばいいんだろ」

「いえ、ここでそれを言ってもらってこれで書き起こします」

 そういって後ろから出してきたのは謎の機械

いかにもそこらへんの声を吸収しますよという感じのラッパみたいなものからホースが伸びその最先端にはペンがついていた

「これはわが社がある会社と共同で開発した声を文字に書き起こしてくれるマシーンです」

「面白いつまりここでそれをしゃべればいいんだな」

「そのとおりです」

 こうして彼のワンマンショーが始まった

話は尽きることなく始まりは朝10時だったのが夜の10時を回りそして

「まっ頑張れ」

「…zzz」

「おい古い寝てる表現やめろ。今の子はわからない」

「そうなんですか、おっできてますね」

 そういうと彼はおよそ千枚を超えるであろう原稿を両手でかかえ

「では、これを本にしてきます」

「おう頑張れよ!原稿料はずんでくれよ」

 一枚1000円換算でも 1000×1000=1000000 100万円


「でもその半分以上はカットだろうなぁ」

 そういいながらチュウは出版社を後にした


それから数か月後

「でかい包みが届いていたぞ」

「エビフライさんありがとうそこ置いといて」

 もちろんそのでかい包みの中身は


   「不条理男戦田ヶ原チュウになる方法」


「ついに見本が届いたか」

「ってかでかすぎだろ」

 そう辞書1~2冊分はあるおおきさ。本が立つという表現(表現ではなく実際に立っているが)がぴったりである

「というかどんなこと書いたんですか」

「いや書いたんじゃくて声を文字にするマシンがあってな、ずっとしゃべってた」

「すごいなそのマシン」

「でも途中くしゃみとかげっぷとか屁こいちゃったりしたんだよな」

「まさかそれもこの本に」

「いやさすがにカットしてるだろ」

 しかしチュウは不安だったあの時の原稿の量とこの本の大きさが全く一緒であることに


「えっーとまずはじめは」

 そういって開くと、

「へっーくション!くしゃみしちまったティッシュティッシュ、どこトイレットペーパーでもいいからどこよもういいよ服で服から、服で服か…そんなに面白くないな」


「そのまんま収録してやがる…」

「どれどれ?」

 バカがその本を取り上げ目次をみる


これをしろリスト

 ・拷問をする

 ・芋虫と結婚する

 ・アフロの男と刈り上げる

 ・ハサミを食べて「これはバーべ級」という

 ・脇毛を植える

 ・ゆめにっきをつけてクラス、職場の女子に見せつける

 ・東京~京都を歩いて行く

 ・逆立ちしながら電車に乗る


「意味がわからない」

「いやあの時酒も入ってむちゃくちゃ言ってたからな」


・拷問をしよう

 弟、妹がいる人はぜひ実験しよう

なにも皮をはいだりとか熱した金属を目に押し付けろとか電車の窓にそいつの上半身をだして線路におしつけるとかそういう難しいのをしろちってる訳じゃない

眼に塩を入れるとか

足の爪をはいでそれを食べさせるとか

へそに桐を入れて穴を入れるとかそういう簡単なので


「なに真面目にやべえーこと書いてるんだー」

 さすがに怒った、さすがにキレた、さすがに殴った

「なんだ他にもこんな感じのが続くのか」

「まぁそんな感じ」

「やばいだろこの本!!!!!!」

 その時電話がりりりんと鳴る

「はいはーい」

 逃げるように電話にでるチュウ

「もしあっ真面目打さんこれは…えっいろんなところからクレームが出て本が出せない…」



「販売できないって」

「「「でしょうね」」」



そののちチュウに大量の段ボールが届いた中身はもちろん

「もう刷ったあとだったのかよ~」



                           つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る