夕暮れと星空
篠崎啓斗
第1話 夕暮れと私
夕暮れ時が一番好きだ。
いつからそんなことを思うようになったのかはわからないが、どうやら私の感性のプラグはこの時間帯に繋がれているらしい。身体中に生温い酸素を行き渡らせようと目を閉じる。まぶたを通り抜けることができたわずかな光の図々しさに少し困惑する。肺が用済みになった気体を押し返そうとしている。私はそれに抗ってみる。苦しくて苦しくて耐えられなくなるところまで抗ってみる。
苦しいから抗うのか。
抗うから苦しいのか。
急に私の脳内から溢れた疑問のせいで抵抗作戦は敢え無く失敗に終わった。
ふーっとなんとも情けない魂の残飯を吐き出しながら私は冷たい床に頬を当てた。
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