Girlish Neighbors
桜庭かなめ
プロローグ『死刑執行人』
『Girlish Neighbors』
「はあっ、はあっ……」
今夜も喉が焼けるように熱く、呼吸をする度に激しい痛みが襲ってくる。
一時は静まっていた恨みが、まさか……こんな形で再び私を蝕むことになるなんて。ああ、あの女が恨めしい。
現世から抹殺できたと思ったのに。
私の中からも消滅できたと思ったのに。
あの女が私と同じ服に身を包まれているとは。これは私にとって一生の汚点といっても過言ではない。
「いや、待てよ……?」
考えてみれば、再び恨むということは……あの時の復讐がやりきれなかったということの裏返し。そうだ、これは神から与えられたあの女へ本当の復讐を果たすチャンスなのかもしれない。いや、それが私に任されたことに違いない。
3年前、お前は逃げるようにして私の前から姿を消した。
だったら、今度は私が直接お前を葬り去ってやろうじゃないか。あの時とは違って、今度は容赦なく裁いてやる。お前に残っている道は死という名の道だけだ。二度と蘇らせてたまるか。
でも、単に実行するだけではつまらない。
そうだな、まずはあの女に冥土へのチケットでも送っておこうか。彼女の怯えた表情は私にとって最高のオカズになりそう。それをじっくりと味わってから、私が自ら死刑を執行する。これ以上に至高な計画はないでしょ?
「神よ、私は決意しました。あの女を処刑します」
1人の人間を青々しいフィールドから追放したあの女に、もはや生きる資格なんてないのだ。
死刑執行人として、忌まわしきあの女……堕天使に鉄槌を下すのだ!
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