ヒゲソリと、スポンジと、わたし。

かとも

ヒゲソリと、スポンジと、わたし。

 最近、ドラッグストアでヒゲソリの2枚刃の替え刃を探すのに苦労します。

 大きな店でも幅をきかせているのは3枚刃以上で、2枚刃の替え刃は、あっても1~2種ひっそりと並んでいるか、柄まで付いた使い捨てタイプを置いている店がほとんどです。


 刃を取り付ける部分は各社様々で、2枚刃の替え刃なら何でもいいとはいかなくて、でも大概同じメーカーの本体なら3枚刃以上にも対応しているけれど、ここで刃の枚数を増やしたなら、まんまと売り手の誘導にハマっているようで、なんだか悔しい!


 何年か前、仕方なしに3枚刃を購入してしまった時、切れ味が落ちてきても何かもったいない気がして、なかなか交換する勇気が湧かずにいました。


 そこで、試しに水を含ませて拭いただけでピカピカになるという、メラニンスポンジで刃をこすってみたところ、なんと効力は絶大、まるで新品のような輝きを取り戻しているんです!


以来、洗面所には、2枚刃に戻った今もヒゲソリとセットで、このメラニンスポンジを常備しています。


 ただ難点は、メラニンスポンジは刃を研ぐ訳ではないので切れ味は悪いまま、私がヒゲソリの時よくアゴから出血させてしまうのは、この、切れ味の悪さに原因があるのかもしれません。

 メラニンスポンジの横には、オロナイン軟膏も常備しております。


 

 ある、真夏の夜の出来事でした。


 私は若い頃から白髪頭で、散髪の度に染めて貰うのだけれど、白髪染めだけで散髪屋へ通う時間もお金も無いので、生え際の白髪が目立って来たら、市販のヘアカラーで自分で染めるようにしています。


 散髪屋さんでは、染める前に、おでこやうなじを守るために、何やらクリームを塗ってくれるのですけれど、自分でする時は、そんな面倒な事はいたしません。


 その時はちょっと時間を置きすぎてしまったせいか、シャンプーして染液を流した後も、おでこのあちこちが染まってしまいました。


 タオルでゴシゴシしても、なかなか手ごわい。


 そこで目に留まったのがそのメラニンスポンジ。


 おでこをこすってみると、なんと、汚れがキレイにカンタンに取れていきます。


で、念のため、鏡では見えない耳の後ろや、うなじ全域をメラニンスポンジで、入念にこすっておきました。


 と、夜中に目が覚めて、うなじが日焼けしたようにヒリヒリ。


起き出して洗面所で鏡を見ると、メラニンスポンジでこすったおでこが赤い。



 これはいけない。


 ヒゲソリの時の出血用に置いてあるチューブ式オロナイン軟膏を、おでこと、うなじに塗り込みました。


こういう時に限って、悲劇が起こります。

数秒後、うなじとおでこに、激痛が走りました。


 なんと、手にしたチューブが、いつものオロナイン軟膏ではなく、ムヒに入れ替わっています。



 急いで濡れたタオルで拭きとるも後の祭りでした。


 まるで日焼けした肩にアンメルツを塗ったような、ジンジンとした痛み(わかりにくい例えでスミマセン)で、寝れない夜となったのでした。



 翌朝、合わせ鏡で見ると、かわいそうに、赤くただれてしまった、うなじが写っていました。


 メラニンスポンジは、人体に使用してはいけません!

 決して、マネはしないでください。


 ……経験者は語る。

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ヒゲソリと、スポンジと、わたし。 かとも @katomomomo

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