スーパーの屋上で発見した法則。

かとも

スーパーの屋上で発見した法則。



 大学生の頃、新規オープンのスーパーの屋上で、お買上のお客様へのサービス、金魚すくいのアルバイトをしたことがありました、


 開店の3時間くらい前から丸いビニールプールを膨らまし、水道水を溜めてカルキ抜いて…


 広告屋の社員さんからは新規オープンなので、「いつもより多目の金魚を用意している」と聞かされていた私は、届けられていた、酸素入りの金魚の入ったビニール袋3つを開封、金魚をプールに移しました。


 移してしまってから

「あっ!」

もしかして、3つのビニール袋って3日分?

 いくら多目とはいえ、プール一面が金魚で真っ赤です。

 間違えて催事3日分を全部開けてしまったようです。


 気がついたときには後の祭り、 運搬用の袋には、金魚が死なないように酸素が密閉されているため、一度開けてしまったら、もう金魚を袋へは戻せません。


 「普段より多目だよ」が、5割増しだとすると、

1.5倍×3日分=約4.5倍


 携帯も無い時代で助けも呼べず、為すすべもなく、プールは一面、金魚で真っ赤のまま、店はオープンの時間を迎えてしまったのでした。


 ところが、胸騒ぎでもしたのか、その日、来る予定のなかった広告屋の社員さんが、昼前にひょこっと現れて、事情を聞いて、早速そのスーパーの玩具売り場へプールを買いに走り、事なきを得ました。なかなか、できる社員さんでです。


 金魚が身動きのできない程の密度の時に金魚すくいをするとどうなるか?

→ いとも簡単に、金魚をすくえるようになってしまうのです。


 恥ずかしながら、この時私は


「金魚口密度・金魚すくい難易度 反比例の法則」を発見!


 と、自分のミスはすっかり棚に上げ、まるで落ちるリンゴを見て引力を発見したニュートンにでもなった気になっていました。

若気のいたりです。


 で、午前中のお客様は、簡単に金魚がすくえて大喜び!とはなりませんでした。


 たくさんすくっても持ち帰りは一匹というルールでしたので、金魚をすくうというよりも、プールからボールに移し替えるという単純作業に、紙が破れる前に「つまんない」と、やめてしまう子供達が続出。


 当たり前のことだけれど、金魚すくいは、

「紙が破けるかも?」

という、ドキドキが大事なんですね。


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スーパーの屋上で発見した法則。 かとも @katomomomo

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