卒業式、母親代表の代理のご挨拶。

かとも

卒業式、母親代表の代理のご挨拶。




 娘が小学校5年生の時のことです、その小学校の卒業式に参列することになりました。


「ご卒業おめでとうございます」と一言だけ言ってきたらいいのよ…


と妻は言っていました。





 当時、 娘の小学校のPTAの役職に会長、副会長の他に「母親代表」というのがあり、当世の多様な世帯構成にそぐわないのか、その年をもってその「母親代表」は無くなり、翌年からは副会長が2人という構成に変更されることになっていました。



 で、この最後の年の「母親代表」の役職に就いたのが我が妻でした。



 小学校では、子供が通っている1年から5年の間に最低でも1回1年間は何かしらPTAの仕事を引き受けなければならん、という暗黙のルールがあるらしく、娘が小5の時、渋々引き受けた役がその「母親代表」という、妻本人も何するのかよくわかってなかったらしい役職だったのです。



 当時、妻は長女の中学の方のPTAの学級委員も受けていて、尚且つ、妻自身も仕事もしているので、何かと暇そうな仕事をしていると思われている私の方に、


「私、その日仕事で行かれへんから!」


と、普段から気軽に、給食材料の選定会など、PTAの仕事が振られてきていました。



 卒業式では「母親代表」も含め、PTA役員は各々挨拶をするのが恒例の行事。


なんと、その卒業式の日に限って、


「私、その日仕事で行かれへんから!」


が発令されたのです。



 「母親代表」に男である父親が出るのはいかがなものか?


という私の主張は無駄な抵抗に終わり、結局私が参列することに。


 私は「母親代表の代理」と紹介されることになった…と、後日学校から連絡が入りました。


 どうせなら「父親代表」に切り替えた方がスマートでは?

という私の意見は、スルーされていました。



 いよいよ本番、司会者の方はさすがに「母親代表の代理」とは紹介しづらかったのか、アドリブで「PTAの役員の方」と、言い換えておられました。


 こういうセレモニーの司会者は、機転が利き人でないといませんね。


 

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