地球最後の日はケンタッキーフライドチキン。
かとも
地球最後の日はケンタッキーフライドチキン。
地球最後の日に食べたいメニュー、私なら迷わずケンタッキーフライドチキンと答えます。
妻が長女懐妊中、つわりの厳しい時に、部屋中に匂いを充満させながらむしゃぶりついていたことがあって、今でも私のデリカシーの無さを強調する時、必ずその話題になってしまうのです。
若い頃は頻繁に食していたのだけれど、近年は『食習慣の改善』というのに逆行しているようで、制限されているわけではないけど、めっきり食べる機会が無くなってしまいました。
辛口にしたりアレンジを加えたりしたものでなく、カーネルサンダース氏があみ出した秘伝のスパイス、オリジナルチキンを心ゆくまで堪能したい。
サイドメニューはコールスローだけでいい。でも、飲み物だけちょっとわがままを言って、メニューにないビールを所望したい。
最後の日なのだから、そこだけは許してほしい。
これが私だけ人生最後の日なら、さほど困難な願いではないと思うのですが、地球最後の日となるとそうもいきません。
ケンタッキーフライドチキンで働く人たちにとっても、人生最後の日なのです。
最後の日まで赤の他人のためにチキンを提供してくれるスタッフがいるでしょううか?
札束を積み上げたってもう意味がありません。
中には、沈みゆくタイタニック号で最後まで演奏し続けた楽隊のように、最後までチキンを振る舞い続けるスタッフがきっといるはず。
でも全てのスタッフがそうとは限らない、お店は世界中にあり、最後の日に運良くそんな献身的なスタッフと巡り合える確率は高くないような気がします。
地球最後の日、ケンタッキーフライドチキンの神様は、こんな私の願いを叶えてくれるでしょうか…
そんなこと心配するより、地球最後の日なんて来ないように願う方が先かもしれません。
地球最後の日はケンタッキーフライドチキン。 かとも @katomomomo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます