第3話

OP2:介入〜SP:PC④


時刻は昼下がり。ここA市の人口は若干だが昼に増える。平日の筈なのに近所のカフェは繁盛している頃だろう。

キミにはあまり関係のない話だ。ただ知っておかなければいけないだけで。


今日は本部から連絡員が2人来る。急ぎの案件のようで、チルドレンには忙しくなってもらっている。

そこまで、人がいるというわけでは無いけれど。


今は一つ仕事が終わった所。報告書を書き上げ、ファイルに綴じた所で奥のデスクの上の携帯がバイブレーションを鳴らす。

三番目のケータイの音。

キミにとっては非日常の音色だ。それをわかっていながらーー手に取った。


シーンイン:PC④

侵食率上昇:32→36


PC④→語


PC④「ねぇねぇ」

PC③「うん?」

PC④「ブリーシンガメンさwA市支部のチルドレンにしていい?」

GM「へぇ?PC③はエリートの本部エージェントでまだ初対面だよ?」


少し考えるそぶりをして


PC③「そうなんだけどねー、本部エージェント様様が単体で来るかなぁ?先に偵察とか入れておくもんじゃないの?」

GM「ほぉwいいんじゃない?」

PC④「いいよいいよ。簡単に懐く感じの人でよろ」

PC③「あい」


では、再開。


語「何用かな。飾られし焔ブリーシンガメン?」

ブリ「緊急事態です、支部長!空から女の子が!」

語「⁈……受け止めなさい。衝撃を最小限にとどめるのです」

ブリ「勿論です!」


間髪置かず、電話ごしに衝撃が伝わってくるーー。だがそれだけだ。もう片方の耳からは何も感じられなかった。

それは彼女が音を絶った故に。


語「大丈夫……でしょうね?いま向かうので待機してて下さい」


その時だ。

彼のなかで何かが走る。それは何度も何度も味わって来た懐かしい感覚。

ワーディング。

外に出れば、キミの部下と、彼女と対峙する少女がいる。

騒がしくなるはずだった昼下がり。今、そこに別の意味の騒めきが文字通り降って来たようだ。


ブリ「落ち着いて……そんな深手を負っているんでしょう。動かないで」

??「うる……さい。ここは、お前らは、UGNなの……か?」



PC④「GM、彼女は一体誰でしょう?」

GM「一応、〈知覚〉の難易度7である程度測れますが」


〈知覚〉5d10+1(c:10)→10

PC④「おっけ」

GM「FHチルドレンがよく着てる、戦闘服を着てますね。わかるのはそれぐらい」

PC④「ふーん」



語「ええ。その通りです。その服はFHで支給されている服ですね?いったいどうしました?単騎で、しかも重体の身で」


その言葉に顔をしかめながら、彼女は吐き出すように、断言した。


??「私は……アダムカドモンの落とし子は、じきに不味い事をする」

ブリ「え?ちょっと貴女!」


直後ーー鮮血を滴らせながら崩れ落ちる。

意識は既に失われているようだ。


語には、嘘のようには思えない。

急に決まった本部エージェントの件と合わせて、何かが動き始めている。


語「重要な情報を得たな。彼女は逃げて来たのではないだろうか?」

ブリ「だと……良いんですけど。あ、医務室に運ぶの、手伝ってくれますか?」

語「(あぁ。確かに人懐こいかんじかなぁ)」


渋々ながらも、手伝うのだった。

しばらく経ってから。


語「さて。奴等が何をしているか……暴こうじゃないか」

ブリ「はい……。あ、私はお手伝い出来ませんので悪しからず」

語「(うん、なんだろねこの感覚)」


語「あ、そう言えば、今日から本部の方が来るんだって?いっしょに巻き込むか」

ブリ「ぴくっ」


思えば、キミは今日、初めてブリーシンガメンと話したかもしれない。

今までは事務的なソレだった。

微かな違和感を感じながらーーそして、歯車は大きく回り出す。


シーンアウト:PC④



うんうん。どうにか纏まった。

いいNPCになりそうだ。


GM「じゃあOP3やろっか。SPはPC⑤だよ」

PC⑤「GM、固定ロイスの事で、提案」

GM「ほいほい」


それは驚きの内容だった。

しかし過去のセッションを生かした提案。受け入れないわけには……。



OP3:寂寞〜SP:PC⑤


既に日も落ちた後。夜が急速に降りてきて、キミのまわりを満たしていく。……じっと、キミは立ち竦む。


今日が何の日か、自分でもよくわかっている。

けれど学校から帰ってしまえば、それは世界から消えたように……キミから遠ざかって、意味をなくす。


誕生日をいつも祝ってくれた彼女はもういない。あまり知りもしない奴に祝われても、嬉しくない。

気がつけばもう放課後で、学校からは逃げ出すように帰って来た。


雨が、髪を濡らしていく。頬を伝って、まるでそれは涙のよう。

家に帰れば、少しは暖かいのかもしれない。

けれど、冷たい身体が、何故か無性に目頭を熱くする。

このまま、動きたくない。

ちょうど、君の前を年がかなり離れた男女2人が通って行った。何故、気になったのかは分からない。身に纏う空気が、少し重苦しかったからだろうか。


そうして、キミは何をするでもなく立ち竦んでいたんだ。



GM「ーーこんなに悲しくていいの?」

PC⑤「おぅ……。いいぜ」

GM「その顔やめい!痛々しい!」


結局、「親友」が固定ロイスになる筈なのに、それは「初恋の人」へと変貌。

実は、彼はサンプルシナリオ『Crumble Days』をプレイ済み。ヒロイン、綾瀬のロイスをタイタスにしてしまったのだ。

経緯は深くて面白いのだが、のちに語ることにしよう。


で、彼女とは二年生になって、段々疎遠になっていったと言う。

だが、PC⑤はオーヴァードとなった自分を受け入れて貰うのではなく、影から守ることを信条にして彼女を思い続けているのだ。



PC⑤→流衣るい

シーンイン:侵食率上昇31→33


流衣「こういう、特別な日になるとさ、お前が側に居てくれない事が、辛いんだ」

GM「。゚(゚´Д`゚)゚。」



アカン。重い。

GM「さ、さて。随分と雨でキミの制服が重くなった頃だ。



携帯が鳴った。

相手は、このA市を護るUGNの支部長。


流衣「はい」


要件は、アダムカドモンの落とし子がA市にいるかもしれないから、明日から動いてもらうという事だった。



PC⑤「アダムカドモン?何それおいし?」

PC①「まぁ、あれだ。UGNとFHがやってた人体実験だよ。で、その被験者が復讐でもしようとしてんじゃないのか?」

GM「うんうん。そんな見解だろうね。どっち道、そいつ等が表に出ると困る訳。UGNも非人道的だって、後ろ指刺されるしさ」

PC⑤「ふむふむ。キャラ的には知って良いの?」


うーん。


GM「特に、重要な情報ではないし。ただ、知ってるとも考え難いよね。電話の中で教えてもらったことにしてくれ」



キミは素直に頷く。

結局、今キミを動かすのは裏の世界。


表、それは飾りなのだと、自分に言い聞かせるのだった。


シーンアウト:PC⑤



いいの……かな?


GM「うん。じゃあ、次は最後のオープニングだね。PC②、準備はいいかな?」


PC②「おう、てめえ等、準備はいいか!」


次は、多分、かなり疲れる(確信)

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