第2話 ただの興味では終われない気がして
そして月日が経ち
高校2年の2学期の9月の初めの時だった。
俺はいつも通りの三ノ宮を7時27分に発車する新快速野洲行きに乗った。
俺は少し前からとあるサラリーマンの男性と鉄道好きということで気が合い、同じ電車に乗るようにしていた。
俺「おはようございます」
サラリーマンの男性「おはよう」
俺「今日もまたこの車両がこの運用でしたね」
サラリーマン「そうやなぁ、なんか同じ車両ばっかやね」
俺はずっとこういう話を尼崎駅までしていた。
すると途中の芦屋駅に着いた時だった。
反対側のドアから1人制服を着た女の子が俺の前を通ろうとした。
俺が道を開けると「すみません」と小さい声で言い、そのまま降りていった。
「ん?」
俺はどこかで見た事のある顔だった。
まぁ、いいかとそのままサラリーマンの男性と話し続けた。
そして1週間経った時である。
そのサラリーマンの男性が突然その電車に乗らなくなったのだ。
退屈だなと思った俺は「第3級アマチュア無線」の資格取得のためにその資格本を読んでいた。
そして芦屋に着く。
また、あの子が俺の前を通って行く。
ちらっとその子を見る。
顔はよく見えなかったが、ショートカットで身長は160cmくらいの子だ。
俺はまたどこかで見たことがあると頭の中で思うが思い出せない。
そして次の日、またその電車に乗った。
また同じように芦屋に着くと俺の前を通る。
その通る前に顔を見る。
「...え?」
嘘だろ?
今俺の前を通った子ってあの夢の女の子...?
俺は驚愕のあまり気が付けば尼崎についていた。
急いで降りた
何故か息が切れてる
俺はそのまま改札を出て学校へと歩く。
授業中もその子の事を考えていた。
無意識に考えていた
違うのか、いや、本当なのかと頭の中で言い合っていた。
そして次の日
俺は昨日と同じ乗新快速に乗る。
その人は乗っていた。
その時俺はちゃんとその人の顔を見た。
「この人だ」
俺は確信した。
キリッとした顔で身長160cmで少しふっくらしている。
俺は補助席の所にもたれていた
俺の近くにその人は居る。
胸がドキドキしている
なぜだ?
なぜ見知らぬ女の子なんかにドキドキしてるんだ?
なぜ確証もないのにあの人だと分かってドキドキしてるんだ?
これってまさか
一目惚れ...?
俺は恋愛経験は皆無なためこういう恋はありえるのか有り得ないのかは分からない。
ただ、16年間行きてきた中でこのような事があったのは初めてだ。
そして三ノ宮から芦屋までの約10分間
俺はずっとドキドキしながらプログラミングの本を読んでいた。
ちらっとその人の制服を見る。
その校章はどこかで見た事のある学校だった。
スカートの柄、シャツの柄は普通の高校のような感じだった。
そして芦屋に着く
その人が降りていく。
俺は「はぁ...」とため息をつく。
自分の想いを伝える事が出来なかったというのとやっと降りてくれたという安心感が混ざったため息だ。
そして学校に行き、電力の授業中に俺は寝てしまった。
短時間だがその時見た夢にもその人が出てきた。
その夢は三ノ宮駅で新快速、快速乗り場の12両目の乗車位置で俺の隣にその人が居て、楽しく喋ってた夢だった。
しかもその時見た景色はこの時期の朝の景色に非常に似ていた。
しかしそれを見た瞬間俺はすぐに起きてしまった。
俺は一応学校の奴らにこの事を相談した
1人は「話しかけろ!」だった
2人目も同じだった
他の先輩や友達にも聞いたがほぼ同じ、或いはやめておけという意見だった。
うーん...その方がいいのかな...
そしてその日の帰りの新快速で俺は「電車 一目惚れ」と検索した。
するとたくさんの体験談があり、俺と同じ通学中の例もあったのだ。
しかも今では結婚しているという人も居た。
俺は「希望があるんじゃないかな...」と思い、どうやって声を掛けたのかを調べた。
すると色々出てきて、一番多かったのは「手紙」だった。
やはりいきなり声を掛けるのは不審がられるし周りから見られるという点で迷惑なのか。
それを考えると手紙は直ぐに終わるな。
それ以外にその人の気を少しでも引く方法を調べた。
すると「1週間その人の乗る電車に敢えて乗らない」「近づきすぎたらダメ」「挨拶をしてみる」などがあった。
俺は最初の2つをしてみることにした。
実はもう少しでテストが1週間あるのだ。
その1週間は始発の新快速に乗ろうと考えた。
確実にその人からは俺が居るという印象はある。
そのままその人の乗る新快速には乗るが、何も出来ずにテストまで日が続くのだった。
そしてテスト週間になり、全て始発に乗った。
土曜日曜と休日が続き月曜日
俺はその人の乗る新快速に乗った。
居た。
俺は運転席側の補助席の所に持たれる。
その人は俺の前にいる。
するとその人は運転席をチラチラと見る。
「この人も電車好きなのか?」
俺はそう思った。
と言うのもその人は俺と同じ電車に乗る時たまにチラチラと運転席を見ているのだ。
それに先頭車に毎日乗るってなぜなのだろうか。
俺には何も分からない。
その日も俺は何も出来ずに新快速は走る。
そして学校に行き、6時間授業を受けて学校を終える。
帰りの尼崎を16時05分に発車する新快速 播州赤穂行きに乗った。
俺はその日姫路に行く用事があったため普段は三ノ宮で降りるが姫路まで行かなければならなかった。
そして芦屋に入線する。
俺は「あの人居ないかな〜」と窓から駅を見ていた。
実はその人の顔を見てから帰りの新快速が芦屋に着く時は毎回窓を見て居ないかなと期待をしていた。
とは言ってもマイ会居ないが
今回も居ないかと目を下に向けようとした時だった
見覚えのある顔、制服が見えた。
「え!?」と俺はすぐに後ろを見る。
まさかのその人だった。
俺は驚愕しまくっている。
そしてその人はなぜか俺の乗る車両に乗ってきた。
おい、これ奇跡じゃねーか。
しかし、俺はその時まだ決心していなかった。
その人は俺が座っている補助席の前にあるボックスシートの奥に座った。
近い、チラチラ見るのバレる。
そして新快速は三ノ宮に着く。
ちらっとその人は俺を見る。
しかし俺は姫路に降りなければならないのだ。
その日はそのまま座っていた。
俺はずっとスマホを見ているふりをしてその人をチラチラ見ていた。
変態かよ
いや、俺は変態だ
認めざるを得ないのだっ
そして神戸を発車した。
そういえばこの人ってどっから乗ってんの?
神戸の次はちょっと遠い明石だ。
俺はその人がどこで降りるのかを知れると思うとなんだかドキドキする。
そして垂水を通過した時にはその人は寝ていた。
顔的に頭もかなり良さそうで毎日夜遅くまで勉強してるんだろうな...それに比べて俺は...はぁ。
俺は1人で落ち込んでいた。
そのまま新快速は舞子を通過して明石海峡大橋と夕日が一緒に見れる区間に入った。
俺は今でも覚えている程その日見た夕日は人生の中で一番綺麗だった。
そして明石に着く。
その人は起きるが降りない。
そして西明石に着く前にその人は荷物をまとめ始めた。
西明石に着く。
するとその人はトコトコと降りていった。
なるほどな
俺はその人がなぜ先頭車両に乗るかが少し分かった。
実は新快速乗り場の12号車目(明石方面)には、階段があり、降りると先頭車の位置にあるのだ。
だからその人はわざわざ中間車両まで行くのがめんどくさいからか先頭車に乗っているのだ。
でも芦屋駅には先頭車両の方には階段は特にない。
中間まで歩かないと無いのだ。
変だな...
俺はそのまままた溜め息をついた。
何も出来なかったからだ。
そして俺はそのまま姫路に行き、用事を済ませて帰った。
そして日は過ぎて行き11月
俺は何度も何度もその人と同じ新快速に乗っている。
しかし、隣に立ったりする事は出来るが話すことは出来ない。
そんなの...嫌だ
俺の想いをその人にぶつけようと決心した。
いっその事当たって砕けたらいいんだよ!
無理なら無理で諦めたらいいだけの話!
こういう出会いなんてほぼ無いんだから、奇跡があるかもしれないのだから賭けるしかない!
実は11月の上旬に職業体験が1週間あるため、その人の乗る電車に乗れるかが分からないのだ。
だからこの時に想いを伝えて電車に乗れなくして、1週間後に答えを聞けたらなと思っていた。
俺は母親に封筒を貰い、レポート用紙に名前、学校名、所属してる部活、Twitter等、俺の情報を殆ど全て書いた。
そして手紙が入った封筒をブレザーの胸ポケットにしまって
眠りに入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます