遥か彼方の未知なる境界線

第1話

あの星をもぎ取って、あの人に投げるんだ

その言葉が忘れられない。

忘れられないでしょ。と、彼女は言ったが、

忘れられるものではなかった。

彼女は、バレンタインデーのチョコレートとともにその言葉を送って、成立して、2日で別れたくらい

破天荒である。そして、今でも、破天荒な側面は残っていて、

仕事先で、人に会えば、

人になりましょうといって、あたまを合わせてくるのだ。

しかし、彼女はそんな程度ではなかった。

海に行けば、成人にもかかわらず、砂でトランプタワーを作ろうとしていた。

成人式では、季節外れのハロウィン仮装をしていた。

食べ放題では、大勢でいても、終了まぎわまで、ノンストップで食べる有様。

ドラマは、全話を録画して、１話から最後まで見るという。

彼女の意表をつく話は枚挙にいとまない。

少なくとも僕は彼女を一生忘れられない。