1話 笑わないクラスメイト


パン、と叩かれた頬はあまり痛くなかった。

泣きじゃくる彼女(名前はなんだったっけ、)はこちらを睨みつけ大変お怒りのようだ。

数分前、委員長が忘れ物を取りに来た。あたしは彼女が誘ってきたから、行為に走る前でつまりキスをしていた。委員長は顔をだんだんと赤に染めていき挙動不審になりながら「ごめんなさい、誰にもいいませんから忘れ物を取らせてください」なんて、とてもウケた。

彼女は、行為の露呈を嫌がっていてあたしに委員長への口止めをしっかりしてね、なんて言って釘をさしさっていった。

彼女とは潮時かもしれない。朝、腰まである髪をときながら、彼女のLINEをそっとブロックし、あたしは寮から学校に向かう。


全寮制女子高。

つまり隔離施設、噂の伝染率は早い。

いつも通り2-3の教室に入ると委員長、安倍あべ真理まりがかけよってくる。そして小声で「学校であんなこと、やめなさいね。」なんて耳打ちしてくる。

「大丈夫、別れたから」

あたしは委員長に手を振って席につく。

1限目は寝れる授業だラッキー。




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