バレエの華、チュチュ(衣装)
バレエの華、チュチュ。
語源はあれですフランス語の、「おいど」。
つまり幼児語のお尻です。尻かよって感じです。なんでこんな名前つけたの、可愛いのに……。
ということで、バレエの華やかなイメージとリアルな話を混ぜつつのバレエふむふむ話二つ目、です。
※二つ出てきますが、ここに書いたもので全部じゃありません。これ以外にもあるよ。
バレエ・チュチュと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、キラキラしたスパンコールや刺繍をしたレオタードにシャンプーハット状のスカートがついた、あの衣装だと思います。厳密には上半身部分はレオタードじゃないけど、割愛。
あれはクラシック・チュチュのなかのパンケーキ・チュチュと呼ばれます。シャンプーハットより優雅な呼び方です。
子どもでも小学生くらいになれば、このチュチュを着る役をもらえます。子どもの背丈に合わせてパンケーキ部分も小さく、浮き輪つけて歩いてるみたいでめちゃめちゃ可愛いです。
でもこれ、自分のパンケーキ幅が把握できなくて、狭いとこ無理やり通ろうとしてどっかはさまったりしてるんだぜ。めちゃめちゃ可愛(略)。
子どもも少し大きくなると、狭いところを通る時はパンケーキを手で抑えるようになります。ってくらい、実は邪魔。椅子に深く座れない。すれ違い出来ない。座ってる人の髪の毛を引っ掛ける。大人でもうっかりすると飲み物をこぼす。あと軽い物なら置いとける(食べ物とか置くと当然怒られるけど)。
チュチュを「置くとこ」として使ってるの、たぶん楽屋裏でしか見ないと思うのですが、割り箸とかバレエシューズくらいなら乗るんじゃなかったかな。トウシューズの重さだと真ん中あたりじゃ無理、腰に近いとこなら確か大丈夫。さすがにトウシューズ置く人はあんまり居ませんけどね……でもパンケーキが邪魔でなかなかテーブルに近づけないんだもの。非常用です。
楽屋裏しか見ないといえば、チュチュの下にレオタード着るとか、チュチュの上からカーデガン羽織る、というファッションもありますね。これほんと不思議とこなれた感じがします。可愛いですよ。
だいたいデコルテ辺りは肩紐しかないパンケーキ・チュチュ(ちなみに肩紐は赤白帽子とかのあごひもと同じような素材だった記憶です)ですから、冬の衣装付きリハーサルなんかはとにかく待ち時間が寒い。そういう時はレオタード着たままチュチュ着たり、長い出番待ちには羽織ものをしてたりします。かっこよくするならストールとかでもいいのかな。お年を召したプリマがチュチュ着てストール、かっこよくありませんか。どうだろう。
実際着てみてどうよ、というのはですね、
痛いです。
あちこち痛いです。足も痛いのに衣装も痛いのか?
痛えよ!!
としか言いようがない。
パンケーキ部分からハードチュールがちょいちょい出てて腰に刺さるし、一番痛いのは腕についてる輪切りパイナップルみたいなヒラヒラ。チュチュにそんなのあったっけ?って記憶に無いかもしれないくらいの物なのに、痛いあのヒラヒラ。あれたいていハードチュールなんです。ゴムでキュッと輪にしてあるだけ、を二の腕にキュッてすると、かなり、痛いです。推して知るべし。舞台出てないときは手首まで下ろしてる人とかこまめに位置変えてる人もいるよね。失くすと超怒られるのはもはやお約束です。
種類が違うものでもう一つ、ロマンティック・チュチュ。
わたしは役柄的にこっちを着る方が多かった気がする。スカート部分が膝下まで降りてるタイプです。優しい印象で、スカートが飲み物巻き込み事故等凶器にならない、立ち振る舞いも取り扱いもこっちの方が格段に楽。しかもロマンティック・チュチュの役って何とかの妖精が多くて特別に小物を持つことがあり、なんだかラッキー、と思ってました。
トウシューズを合わせると完全に妖精のようになれるのが、ロマンティック・チュチュの素敵ポイント。妖精役だけではなく、オレンジと緑と黒を基調にしたエプロン付きの村娘風や、全体的に真っ赤にしてフラメンコドレスみたいに見せる等、アレンジによって「役」をわかりやすく表せるのもこちらの利点かもしれません。
最後に。
ほぼ知られていないであろう白菜状のチュチュ。チュチュのしまい方。
チュチュのしまい方はですね、背中の金具を全て取って、パンケーキのところを蕾のようにすぼめて、そこに裏返した上半身の布をえいっとかぶせます。
だいたい白っぽい記事がついているチュチュの裏側ですから、これ個人的に白菜にしか見えません。このまま背中の金具を逆向きに止めて固定し、手の輪切りパイナップルと一緒に袋に詰めたら運搬用チュチュ白菜の出来上がり。
かさがある割には軽いので、これで小さい子でも運べます。便利。
ということで、華やかなバレエ衣装の裏側はこんな感じです。
忘れないうちに書いてしまえと二話目を急ぎましたが、また二千字くらいの話題が見つかったら書こうと思います。
うーん、次は発表会とかお化粧の話、それとも人間関係の話……かな、それではまた。読んでくださってありがとうございました。
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