バレエシューズとこぼれ話
花ほたる
トウシューズって足痛い?
痛えよ
小さな枠に足を突っ込んで固定して、一点に体重かけてるんだから痛いです、長く履いていれば履いているほど痛いです。
ただし、ただ木の枠に足をそのまま突っ込んでるわけではない、という補足。
たぶん一番気になるかなっていう、トウシューズの履き方と仕組みとあれこれについてです。
硬い素材で出来ているトウシューズですが、硬いのは甲から爪先にかけてだけ。なのでスリッパのように折りたたむことができます。かかとのあたりはほぼ皮と布だけです。
折りたたみかたはけっこう人それぞれ。憧れの先輩とこっそり同じたたみかたにするの、とかリボンのしまいかたはこれじゃないと落ち着かない、とか、ここにも個性があります。
爪先で立つ足先は、尖っているわけではなくて、バランスを保てるように平たくなっています。爪楊枝の先ではなくて割り箸の先のかたち、と思えばいいかも。
履いてる本人もよく分からない硬い素材で出来ているそれは、ちょっとやそっとじゃ変形もしない造り。実際裏から見ると釘で固定してあるので皮か木だと思うのですが。重さから言っても全部金属とかではないです。たぶん。
そこにそのまま足をいれると擦れるので、綿や専用の詰め物で足先を覆ってからトウシューズに突っ込み、指が痛くないようモジモジとポジションを決めて固定します。
履いた時点でもう足の指は動かせないくらいのきつさになります。
爪ちゃんと切っとかないと立った時に他の指を傷つけるので注意しましょう。ほんとぎゅうぎゅう。
トウシューズを足に固定するリボンは、よく絵にあるように編み上げちゃダメ。踊っているうちに緩んで危険です。そもそもそんな長さは実は無いです。
さっき書いたようにかかと側はほぼ布だけで、足を固定する力はありません。トウシューズのリボンが緩んだ状態で爪先立ちすれば、それ、捻挫ですめばいいね、っていう……。
トウシューズは本来危険なものです。
(子供が履くにはある程度の年齢になり、試験をパスしなければいけないというのがうちのバレエ団の方針でした。この辺はバレエ団による。)
足首を、ぐるっと一周ずつさせたリボンは足の腱と少しずらしたところで硬く結び、余ったリボンは足首の巻いたところに押し込みます。ひらひらさせちゃダメ。理由は同じく危ないから。
これでおしまい。立ってみて、違和感や緩みがなければこれで踊ります。
トウシューズという道具と、危険回避のための確認の手間が必要なあの「美しい爪先立ち」。
学校の上履きや、他の靴や、ましてや裸足でやっちゃダメなの、お分りいただけたでしょうか。
バレエをやっていたと言うと、必ず爪先立ちしてみて!と言われますがほんっっと、トウシューズはかないと出来ないし、危ないからね!これ!
私情挟みましたですが。
個人的にはトウシューズ履いて歩くときの音が好きでした。硬い皮で床を叩くような音。大勢で歩くと音楽のようです。ただしレッスン中に大きな音させて着地すると怒られるんだけどさ。大きく飛んで軽く着地。無理や。
トウシューズ着用時は普通に歩いている時も爪先に地面の感覚はほぼありません。こまかい地面の状態が足で拾えないし甲から先も曲がらないので、ぼーっとしてると段差でつまづきます、この辺りも注意ポイントです。普通に歩いてる時って意外と足の指使ってるんだなあと改めて。
レッスンが終わればトウシューズからの解放タイム。足の指は固まってます。指の間が赤くなってることも、すれていることもあります。
汗がこもるので、当然あれです、乾かしましょう。
トウシューズはたたんで、袋に入れて。
足はしばらくワキワキして、乾かして。
こんな感じのトウシューズな話。
いかがでしたでしょうか。
書いてみるとあらためて、「踊りやすくするための道具」では無いのですね、トウシューズ。むしろ困難のほうが多いのですが、芸術とスポーツの狭間にあるバレエという表現にはかかせない美しい道具だと思います。
そういえばレッスン用と発表会用もトウシューズ使い分けてて、発表会用のほうが綺麗だし高かった思い出もあります。なんかぴかぴかしてた。汚すと超怒られたなあ親に。
普段使わないほうのトウシューズは硬いので、発表会練習の出番待ちにみんなでトウシューズワキワキと曲げて柔らかくしながらガールズトークするのも発表会シーズンの風物詩です。底の部分の皮はけっこう曲げても大丈夫です。というか曲げて柔らかくしないといけない。
あ、あとこれ読んで履いてみようと思うのもダメですからね、そもそもトウシューズって高いしバレエ独特の訓練してないと怪我しますからねマジで。
最後に話題がぽんぽん飛びました。閑話休題。
次はお化粧の話か、チュチュ(スカートがシャンプーハットみたいになってるあれとか)の話にしようかなあ。
他のもこんな感じで書けるといいのですが。
読んでくださってありがとうございました。また次のバレエふむふむでお会いできたらと思います。
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