ひとつぶ。
@Alialina77
第1話
その日は晴れていた。春の日の原っぱにサンサンと太陽の光が降り注いでいた。
ここは、七つの虹公園だ。その中央にある木の傍には、
金髪の女の子がいた。木の枝を握りながら地面を見つめていた。
誰もいない公園だ。遊具もない。
なにもない空間で、腕を組んでいた。
顔を見ようと角度を変えてみても、少ししかわからない。仏頂面であることは間違いがないが、不自然なのは、口角が上がっていることだ。
僕は不思議に思って、買い物袋を下げたまま、彼女に話しかけるべく近づこうと思った。
きっと頭では楽しい世界が展開されているのだろう。
それを察知したとき、僕は歩み寄るのをやめた。
ここは都会の喧騒とは程遠い静かな住宅地の近くにある。
そして彼女は何分も同じ体勢でいる。
僕は本当に不思議な気持ちになって彼女を見つめた。
腕が動かない。
顔も変わらない。
こんなに広い場所で彼女は1人。
何時間も同じ体勢でいたのであった。
ひとつぶ。 @Alialina77
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