みっくんと、怠け者の私

紫ガール

第1話 みっくん現る

あーあ、今日こそ図書館に行って、朝から夜まで勉強する予定だったのにな。


目が覚めるともう時計の針は12時を過ぎていて、私はひとりほっぺをふくらませる。


「ねえみっくん、もう仕方ないよね。明日、学校で勉強するもん。今日ぐらい、動画サイトみててもいいでしょー?」


「あかり、それ昨日も聞いたよ。サボりたい気持ちはわかるけどさ、毎日そんなんじゃ、つまらなくないの?」


えーー。まあ、そうなんだけどさ。

「つまらないよー。でも幸せなんだって。ぬくぬく、だらだら、はっぴーらいふですよ、はっぴーらいふ。うんうん。」


なんて、すこしふざけたら、みっくんは怒るかなって。でもみっくんは、すごく笑顔で、こういった。


「そっか、あかりが幸せなら良いと思うよ。でも、勉強したり体動かしたりするのも、好きでしょ?今日ぐらい、なんか別のことしてみようよ、ほら。俺も応援するからさ。」


そっか。そういえば私は、歌を歌ったり、ギター弾いたり、お菓子作ったり、いろんなことが好きだった。この頃は携帯しか握ってなくて忘れかけてたけど。


「そーだね。そういえば、そうだったかも。っていっても、何すればいいのー?いつも計画立てても失敗しちゃうし。ねえみっくんーーー」


と、ここまで散々みっくんに話しかけておいて、私はあることに気がつく。


「って、え!?まってみっくんってだれ、え、あんただれ!?いやみっくんだけど、え、いつからいたっけ!?」


そう、『謎のイケメン みっくん』は、私の知り合いでも、友達でも、はたまた家族でもない。あったこともないのに、なぜかみっくんはみっくんだとわかるんだ。


「ふふ、やっとそこに気がついた?俺は、みっくん。そうだなー、どこから来たのかは秘密。あかりが思い出すまで、教えてあーげない!」



こうして、わたしは今日はじめてみっくんと会った。。。らしい。気分的には何年も前から知り合い、って感じなんだけどね。


でもベッドの前にある私の椅子にすわって、笑顔で私をみつめるみっくんの顔は、そんなことどうでもいいくらい優しくて、かっこよくて、素敵だったの。

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