25

「そうか。それはよかったな」


「飛ぶわよ」


「えっ?」


神楽の背中から羽が生えた。


白くて大きい鳩の様な羽だ。


「ええっ!」


いつの間にか神楽は円羅の後ろに回っていた。


そして抱きつく。


豊か過ぎる二つのものが円羅の背中に押し付けられたかと思うと、円羅の身体が浮き上がった。


「ちょっと」


二人は飛んだ。


とてつもない速さだ。


が、不思議と風の抵抗は感じない。


息苦しくも無かった。


まるで周りの空気が一緒に高速移動しているみたいだ。


「何処へ行く?」


「遠くよ」


神楽は円羅を抱えてそのまま飛び続けた。



どのくらい飛んだのだろうか。


太陽はすっかり高くなっていた。


神楽が不意に止まった。


そうかと思うと今度は急降下をしはじめた。


「わっ!」

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