24

神楽は日本刀でそれらを次々と受けた。


しかし一本を受けそこね、その斧が神楽の肩口辺りに当たった。


「うっ」


神楽の動きが一瞬止まった。


その隙を突いて、いくつもの斧が一斉に神楽に襲い掛かった。


ゴン


大きな音がして、蛇のように動いていた腕が、その動きを止めた。


見ればフレイルが少女の額に当たっている。


円羅が投げたのだ。


自分でも気づかぬうちに。


「ありがとう」


神楽はそう言うと、風のように化け物の横をすり抜けた。


そのまま全ての時が止まったかに見えたが、やがて怪物の小さな頭が地面に落ちた。


伸びた腕が見る見る縮み、身体がゆっくりと倒れた。


「やったか」


「やったわ。あなたのおかげね」


神楽が手をかざすと怪物は紫の炎に包まれ、そのうち消えた。


「こいつがこのあたりでは最強みたいだわ。あとは雑魚ばかり」

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