ラッヘリーベ

古月美葉

ラッへ

「パパー!早くー!こっちだよー」

生ぬるい風が吹く春。

桜並木の一本道。

遠くのほうでこちらに大きく手を振る娘、優香。

その隣にいる僕の妻、ひかり。

「今行くよー」

僕は微笑み、娘と妻のほうへと走り出す。

あぁ、こんな春の日には『あの頃』のことを思い出してしまう。


僕はいまとても幸せだ。

じゃあ、どうやってこの幸せを手に入れたのか少し話していこうか。

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