38話「ロリへの愛は世界を救うか?⑩~米軍の包囲殲滅陣は最強なんだよ!~」


ネタバレ伏線ver

http://suliruku.blogspot.jp/2017/02/38.html

★★★



「空気操作(シルフ・コントロール)」


俺は風の精霊を操る魔法で……まぁ攻撃に向いてない系統の魔法だから、ゆっくり時間をかけて風の刃を作り出し、エロフィンをエロい感じに縛っている縄を切断した。そのまま彼女は堀の腐ったような匂いがする水にドボンッと突撃して、まるで悪い悪党たちにめちゃくちゃに凌辱されまくったエルフ娘のような、そんな汚い存在に成り下がったのである――いや、ウンコまみれの家畜と言った方がいいかもしれない……


「こういう事になるから逃げられなかったのですよー!堀の水が臭くて臭くてひどいのですっー!」


腐敗した泥の匂いがする痴女と化した。オッパイは拝みたくなるくらいに大きくて凄いのだが、なのです口調を聞くだけで萎えてきた。白真珠の愛らしさ、素直さに比べると、エルフ娘の魅力はオッパイだけな気がしてくる。

すぐさま、白真珠が魔法の鞄から、白いセーラー服と、ピンク色のパンティーを出してエルフ娘を助けてあげていた。まるで銀髪の天使様だ………。


「エロフさん大丈夫ですか?」


「全然、大丈夫じゃないのですっー!あとエロフじゃないのですよっー!エロフィンなのですっー!」


「サイズは合わないと思いますが……はい、着替えです」


考えて欲しい。白真珠が着ていた小さすぎるコスプレ用のセーラー服だ。そんなもんを爆乳の痴女エルフが着たらどうなるだろうか?裸より恥ずかしい格好になる事は間違いない。まずスカートが短いし、ピンク色のパンティーも小さい。常時、パンツ見せ放題の淫乱エルフ娘にクラスチェンジしてしまう事だろう。

それを理解したのか、エロフィンが追加注文してくる。


「タオルが欲しいのですよー!こんな小さい服だと痴女になってしまうのですっー!私は森の乙女エルフなのですよーっ!乙女で清純派なのですっー!」


「えと、ああ、そうだっ!お師様のバスタオルがありましたっ!」


そう言って、白真珠が魔法の鞄から出したのは――俺の家にあるバスタオルだった。

どうやら気づかない内に、ネコババしていたようだ。きっとホテルに宿泊する度に、備品を拝借してくる悪質観光客みたいなケチっぽさが、その幼い体に身についているに違いない……貧乏って……本当に可哀想……。


「助かったのです!人間なのに良い人なのです!」


エロフィンがバスタオルを体に巻いて、痴女一歩手前のエルフ娘となった。オッパイが大きくて凄かったが、俺は容赦せずにツッコミを入れる。


「おいこら、何でここにいるんだ?というか人間の見分けがついていない!?」


「あぅ?……あ、さっきあったロリコン人間なのですか!そのヤクザっぽい黒い服装と声は覚えているのですよ!」


「誰がロリコン……だっ!違約金を払わすぞ!」


一瞬、隣にいる白真珠をチラッと見て、その可愛さに見惚れそうだったが、小さな娘に実際に手を出してない俺は紳士なのだ。性格がいい女の子に見惚れて何が悪いのか、俺にはわからない。


「違約金を払いたくないから説明してあげるのです!なぜか道を戻ったらロシア軍がいて、いきなり襲われたのです!だから、装飾都市に行くのは諦めて、いったん、こっちに戻ったのですよ!」


恐らく、エルフ娘の妖艶な身体を使ったエロ目的だな……ダンジョン世界だとスケベーな事をした後に口封じとか容易い気がするだけに……質の悪い兵士に見つかってしまったのだろう。

ロシア軍、最近どんどん質が落ちているらしいし……。まぁ寒くて欝病になりやすくて経済が大打撃を受けている地域だから仕方ないのかもしれない。北国は寒すぎて暖房費が嵩むから、そこに貧乏の要素を加えると涙目な人生が待っているのである。最近だとアルコール入りの化粧品を飲んで、バタバタと死んでいるロシア人がたくさんいるそうだし、貧困は辛いのだ。

でも、俺は容赦しない。白真珠の貧乏っぷりに同情し、お金を何億円も貸したりしたが、仕事を達成しなかったエロフ娘に容赦ないのだ……うわ、おっぱい大きいな、おい。


「じゃ、一千万円返せ」


「あぅ?違約金の代わりにおっぱい揉ませろ?わかったのです!1時間でも2時間でも好きなだけ揉めばいいのですよ!さぁっ!揉むのですっ!オッパイだけなら許すのです!」


「どんな聞き間違えだ。仕事を達成してないから、一千万円返せ。というかオッパイ揉みで一千万円は高すぎるだろ……」


「あ、あれはエルフのみんなを養うための貴重な生活費なのですっ!体を汚されたとしても渡さないのですよ!きっと悪辣で非道な人間の事だから……わ、私をエロい事をする店に連れて行くに違いないのですっ!人間はいつもエルフ娘をそうやって扱ってひどい事をしてきたのですよー!」


「じゃ、違約金の代わりに今の悪徳都市がどういう状況になっているのか説明しろ。なんで吊るされていたんだ?」


「あぅ……確か迷彩服を着た軍人さんが言うには……苦しみの魔族配下っぽい魔物の大軍が第二層から攻めて来たそうなのです。今、都市の東で大戦争中なのですよ。銀バッジ以上の冒険者は魔力タンク代わりに招集されて大変なのです。私が人間のために働く事を拒否ったら、いきなり吊るされて、この有様なのですよー」


「え?お前、銀バッジ冒険者なのか?」


「実は金バッジなのです。髪につけているアクセサリーがバッジなのですよー。入学試験で無茶をしすぎて……あぅ……触手は嫌なのです……あれが魔物の呪文封じなのかと思うと酷すぎて嫌なのですよ……あぅぅ……」


「そうか……苦労したんだな」


「あぅ?」


「きっと……その何だ。金バッジになるために枕営業……いや、何でもない。あとで情報料として百万円を銀行口座に振り込んでやるから、それで温泉にでも行け……」


なんて事だ。よく考えたらエロフィンも十分、可哀想な女の子じゃないか。

触手とイチャイチャさせられて、大切で大事なものを失うとか……残念すぎるエルフ娘にも程がある……存在そのものが可哀想だ……本当、こんなにエロい身体で可哀想……。


「し、失礼なのですっ!こう見えても風系統の魔法を操る事に長けているのですよー!」


「え……爆裂弾でゴブリンのアジトを吹き飛ばしてなかったか……?」


「炎は便利なのです。最小限の魔力で広範囲を焼けてエコなのですよー」


「自然破壊がエコだとっ!?」


「古い森は焼いた方が良いのです。古い木があると新しい木が生えないのですよ」


「エルフとは思えない発言だ!?」


「それよりも、必要な情報はこれだけで良いのですか?」


「えと……米軍は動いているんだよな?」


「ワープゲートの周りに包囲陣を敷いて頑張っているそうなのですー」


「ん……可笑しいな……?」


「私を裸にして吊るすキチガイの頭は確かに可笑しいのです。吊るす時にオッパイを何回も揉まれてセクハラまで受けたのですよ!これだから人間の男はクズ――」


エロフィンはそう言って、恥ずかしそうに両胸を隠した。バスタオルで守られているとはいえ、俺が人間の男だと意識し、警戒しているようである。

だが、そんな事はどうでも良い。エロフの裸より、白真珠の裸の方がきっと価値がある。それよりも、この凄い違和感を解決するのが先だ。俺は白真珠とエロフィンの二人の綺麗な目を見た後に口を開いた――


「……今の状況をな……魔族側の視点になって考えてみるとおかしいんだ。これを見てみろ」


魔法の鞄からゴールドアップを取り出して、縦に並べてみた。


「このゴールドアップルを魔物だと考えて、その周りに米軍の包囲陣があると仮定すると――」


~~~~

縦「攻撃があたり辛いお」


●    横「命中率が一気に5倍だお」

●  米軍「魔物がどこに逃げても、銃殺だぜぇー!戦場は本当に地獄だぁー!フッハハー!」

~~~

「銃弾がとっても当たりやすい戦場にならないか?」


「これは何なのですか?」エロフィンが聞いてくる。


「米軍がワープゲートを包囲しているって事は、弾丸の命中率が劇的に跳ね上がる事を意味するんだ。魔物の行動を制限し、地雷で移動範囲を狭くして密集させ、弱点になる側面を撃ち放題な上に、狭い範囲内に十字砲火する訳だから……命中率は恐らく数十倍に跳ね上がる。魔物が10万匹死んで、ようやく米軍兵士が一人事故って死ぬかどうか。恐らく、そんな糞みたいな戦場が出来上がるはずだ」


「あぅ?私が吊るされて裸を見られ損という事なのですか!?大人しく戦場にいって給料を貰えば良かったという事なのですか!?」


エロフィンの悲しい問いかけに、白真珠が力強く答えた。


「大丈夫ですっ!正義の心があれば大丈夫です!僕なんて毎日のようにお師様に裸を見られてますよ!モギューと抱きしめて貰うと安心できて素敵な人なんです!」


「こ、こんな所に変態ロリコンがいるのですよー!?」


「おいこら、話をちゃんと聞け。とにかく……そんな地獄すぎる戦場に魔物の大群を費やすのは合理的じゃないだろう?俺はそう言いたいんだ」


「世の中は不効率の塊なのですよ?効率ばっかり求めるのは人間の悪いところなのですー」


「この戦場を覆す手段が魔物側にあると……そうは思わないか?」


「あぅっ?」


「例えば、各階層に廃棄されている核兵器をワープゲートに放り投げて、包囲網を敷いている米軍を焼き払ったりとか」


「そ、そんな事したら、食の神が激怒して魔族をむしゃむしゃ食って大変でひどい自爆的な事になるのですよ!?」


「そうだ。だからその可能性は考えなくて良い。どうして米軍が優位に戦えるのか考えてみろ」


俺の問いに、エロフィンは大きすぎるダイナマイトおっぱいに両手を当てて考え込んだ。エルフ耳をピョコピョコさせて場を和ませながら――


「ひ弱な人間でも勝てるのは……遮断装置があるおかげだと思うのです。空間転移してくる魔族は全ての戦略を覆す怖い怖い存在なのですよー。いきなり司令部とか補給部隊がいる場所に出てきて、ドカドカドーンなのですー。

でも転移さえ封じれば、圧倒的な火力で倒せそうなのですー」


「魔族側の意図がわかったか?きっと……遮断装置が危ない!恐らく米軍が相手している魔物は陽動に違いないんだ!」


「す、すごい発想の飛躍なのです!?何を根拠にいっているのですか!?」


「この状況そのものが根拠だ。だからな、エロフィン……1千万円払うから、米軍の偉い人にこの事を知らせてくれ」


「あぅっ?あぅっ?戦闘中の軍隊に近づくと射殺されちゃうのですよ?偉い人の所に行く前に穴が増えちゃうのです!」


「頑張れ、枕営業の達人なら、エロい……もとい偉い人脈があるはずだ。心苦しいと思うが人類のためエルフのため頑張ってくれ」


「森の妖精エルフを売女扱いするのはやめてほしいのです!?でも一千万円もらえるなら、方法くらいは考えてみても良いかもしれないのですよ?」


「成功したら追加で一億円払うから、頑張って行ってこい」


「わかったのですー。私は金払いが良い人間が大好きなのですよ~」


バスタオルのまま、エロフィンは東の方角へと旅立った。どうやらあの格好で米軍……おそらく、二重包囲網を敷いている戦場へと行くのだろう。

包囲網の弱点は、外側からの攻撃。それに対処するために、米軍は外側と内側の両方に対処できるように二重包囲網を敷いていると思うのだ。たどり着くのは至難の技だろう。

白真珠もそう思っているのか、不安そうな声で聞いてくる。


「お師様……どうなると思います?」


「うむ……スパイっぽくて怪しいエルフだから、何をするか分からんが……単純に金が欲しくて困っているだけの娘に見えたな……」


「今回も……お師様の名前を聞かずに去りましたね……」


なんて事だ。あのエルフ娘はコミュ障だったのか……。エルフ娘ならではの人脈とか持ってなさそうで困ったな。

通信回線は麻痺しているし、送れるのはせいぜいメールのみ。遮断装置の場所も分からない……どうすればいいんだ……?

片っ端から、通信回線に接続して、繋がるかどうか確認するしかないな……。


「ところでお師さま、遮断装置はどこにあると思います?もしもバグダインの狙いがソレなら……先回りすれば良いと思うんです」


「……うーむ、きっと目立たない場所において、少数精鋭部隊が守っているんだと思いたいが……どこにあるのだろうな」


敵の目的がわかったから、多少は有利なはずなのだが……情報が足りなさ過ぎて困ったな。

核兵器を金庫に保管していた例があったりするが、遮断装置はきっと巨大な装置だろうし……設置できる場所は限られていると思うのだが……。


~久しぶりの魔法説明~~




「空気操作(シルフ・コントロール)」


土操作の空気バージョン。睡眠ガスとか作れるけど、毒ガスは下手したら食の神にダメージを与えてしまうかもしれないし、禁じ手だお。

風を収束させて刃にしたり、盾代わりに使えるけど、火力と射程距離に問題があって、攻撃には向いてない防御向けの魔法ですお。



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