第486話一遍上人語録 法師のあとは

法師のあとは、跡なきを跡とす。


(意訳)

私(一遍)が死んだ後は、人が受け継ぐべき遺産は、何も残しません。

遺産がないのが、私の遺産です。


臨終が近い時期の一遍の言葉。

後継ぎを決めることもなく、財産分与をするなどという考えもない。

臨終の少し前に、経典以外の自分の書いた書籍その他を焼いてしまったという。


一遍は、南無阿弥陀仏の名号以外には、残す気がなかったようだ。


※当時の「跡」は、家屋敷、領地などの遺産の意味。

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