第448話石仏の話(63)

古戦場に石仏がたてられていることが多い。

あるいは石仏がたてられている理由を聞いて、そこが古戦場であることを知る場合もある。

理由はともかく、人と人が殺し合って、痛みと苦しみと血にまみれた土地。

せめて、朽ち果てない石仏をたて、敵味方無く供養をしたのだと思う。

人の世は、日本に限らず、血と苦しみと涙の歴史。

この石仏が無ければ、どれほどの魂が、血と苦しみと涙の中に、居続けるのだろうか。

何も言わない石仏の周囲には、計り知れない魂が取り巻いている。


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