第449話石仏の話(64)

灯籠を持ち上げ、短い足を踏ん張り続ける鬼など、石仏に彫られた仏教の鬼は、どこか面白みがある。

ただ、そういう鬼もあるけれど、恐ろしい鬼のイメージを考えてみた。

顔が怖い、冷酷、無慈悲、残忍などの非妥協性、つかまったら最後、とても強くかなわないほどの力を持つ。

考えてみると、人間世界でも「あの人は鬼」と言われる人のイメージも、それと似ている。

怖い顔はともかく、その非妥協性は、およそ仏の世界からは、憐れむべき姿と思う。

しかし、哀しいかな、いつの世でも、そんな人間の鬼が絶えることがない。

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