第436話大悟
自分自身が悟ったと思っても、それによってこの世界は特に変わるわけではない。
悟った後の世界も、悟る前の世界と同じ。
世界は、悟りとは、こういうものであったのだ、ということを事実として認識するだけのことになる。
悟ったとしても、生きている限り、様々な苦しみが消えることはない。
風邪もひくし、様々な病気もする。
事故もあれば、怪我もする。
悟ったからといって、突然、金回りがよくなるわけでもない。
知人の死に涙することもある。
「大悟徹底」という禅語がある。
この大悟は、迷いや苦しみから離れた悟りではない。
悟りも迷いも区別はなく、包み込んでしまうような悟りである。
どんなに修行して、悟ったとしても、生きている限り、この世の苦労や迷いから離れることは不可能。
喜びも悲しみも、御仏の諭し、そう思って生きていく。
それが、大悟に近いのだと思っている。
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