第166話十牛図(7)忘牛存人
(7)忘牛存人
やっと家に戻ってきた。
本来の自分のことなど、意識することもない。
本当にくつろぎ、ゆったりとしている。
しかし、せっかく苦労してつなぎとめてきた本来の自分は、またよくわからなくなっている。
さて、本来の自分はどこへ?
また、迷い始めている。
あるいは、それは考えなくてもいいほどなのか。
そもそも、本来の自分に戻ったと思うこと、そのものが迷いなのか。
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