まあそれはそれとして屍姦するレズのダークエルフとかそれはそれでよくないですかね(だがダークエルフは殺す慈悲はない)
地下に住まいし流血の女神の神殿は、その名の通り大地の奥底に作られる。
だから、ここ。闇の種族の山城においてもそれは、掘り抜かれた内部構造の奥深くにあった。
女神を祀る祭壇。そこまで下りてきた
力ある言葉で不死の怪物どもに道を開けさせ、扉に手をかける。
―――開かない。
この時点で彼女は、扉に強力な魔法が付与されていることに気が付いた。秘術によって扉が内側から封印されている!?
―――侵入者か!
だから彼女は、呪句を唱え印を切った。万物に宿る諸霊へと助力を求めたのである。
強烈な魔力が膨れ上がった。
◇
「……ぉ…!!」
まずい。扉が破られる!!
女賢者は焦っていた。首から下に霊が収まった途端、首から上の知覚も戻ったのである。分かたれていても首と胴体でひとつ、という事だろう。
それは言い換えれば、首を潰されれば彼女も死ぬ、ということ。
だから、彼女は己がいる祭壇の間の外から呪句が響いた時恐怖した。あれは
思案する間にも、術の詠唱は終了し、そして強烈な魔力が膨れ上がった。
魔法を破壊する魔力が。
それはたちまちのうちに扉を包み込み、膨れ上がり、そして消失していく。
そして、扉に手をかける音。
その時を、女賢者は待った。
永遠にも等しい一瞬が過ぎ去った後。
扉が、ゆっくりと開いた。
◇
開いた扉の向こう。
そいつの唇が動き、声なき魂の言葉で呪句を詠唱しているのも。
―――魔法!!
即座に踵を返す。走っても間に合わぬ。その場にいる
「盾となれ!!」
咄嗟に伏せた彼女の上に、多重に屍どもが覆いかぶさった。
直後。
爆炎がすべてを焼き払った。
◇
―――しくじった!!
女賢者の生首は、千才一隅の機会を逸したことを悟った。敵首領を仕留め損ねたのだ。多数の黒焦げ死体の下から這い出した
やむを得ぬ。
続けて呪句を唱える。万物に宿る諸霊へと願った助力は
開かれた扉のすぐ外。
そこに、火柱が立った。最初小さかったそれはたちまちのうちに立ち上がり、天井にまで届くと続いて、左右へ広がる。
部屋への出入り口は閉じられた。生半可な魔法や弓矢ではこの防御は突破できぬ。
されどこれは時間稼ぎだった。いずれ術の効力は終了する。それまでに敵を仕留めねば己は首を砕かれるのだ。
彼女の首から下はこちらへと向かっている。幸い、今の己は
女賢者は、自らの分かたれた肉体へと鞭打った。
◇
―――おのれ!!
しかしまさか、斬首した女が
だが魔法は有限である。ましてや相手は生首。一歩も動けぬ。奴が籠城するつもりならば時間をかけてこちらから攻めていけばいずれは斃せよう。
そのはずである。
そこで、当たり前の事実に気が付く。
籠城とは、援軍のあてがある時に取られる戦術である、という事実に。
―――まさか、奴の首から下も動き出したのか!?
状況を悟った彼女は、だから一瞬だけ迷った。首と胴体。どちらを優先すべきか。
敵の胴体はこちらへと向かっているであろう。己を殺すために。
ここは狭い。奴は魔法を扱える。それが
僅かな逡巡の後。
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