骸骨のマリアは死を謳う
幽谷澪埼〔Yukoku Reiki〕
第一話
──貴方に叶えたい願いはありますか?
──貴方に大切な人は居ますか?
──貴方に宝物はありますか?
──貴方に好きなものはありますか?
──貴方に苦手なものはありますか?
──貴方に嫌いなものはありますか?
骸骨のマリアはいつも問う。不思議でたまらない。なぜ人はそうやって大切に大事に扱う事が出来るのだろう? なぜ人は同族を傷付けるのだろう?
──なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ???
いつまで経っても解らない。理解出来ない。訳が解らない。全く…………人とは理解し難い生き物だ。
にゃぉぉぉん
足元で愛猫で相棒の
『そろそろ仕事の時間にゃあ?』
頭に心地良い音程の声が響く。これは紛れも無く愛猫曜鈺の声だ。
曜鈺の身体を撫でながら答える。
「解ってるよ、今日は誰かな?」
『今日はニホンのトウキョウって所にゃ〜』
「トウキョウかぁ……彼処ってまだ人居たんだ?」
『最近になってやっと少し人口が減ってきたにゃんよ? それでも多いにゃんけど……』
「ははじゃあ暫くは居なくならないね」
傍から見たら黒猫を撫でながら愚痴を零している不思議な少年にしか見えないだろう。
──…………………実際は仕事の話をしているのだが。
──此処は魂の漂着点。死神と死者が集まる所。その名を『
コレはそこに住む
さぁ今宵は誰の魂が迎え入れられるのか──?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます