第7話 療養と言う名の罠…。

とても辛い強迫性障害、療養が必要かどうかは

その人によると思います。

ただ、私自身の経験からすると長期療養もあまり

効果は無かったように感じます。

学生であれば、学校を時々、お休みして療養するのが

良いと思います。

何日もずるずると休むと、余計に悪化してしまう可能性が

あります。

学校に行けなくなるかもしれません。

社会人であれば、決められた休み以外で休むのは大変だと

思いますので、社会人であれば病院で診断書を書いて

もらった方が良いと思います。

私は、強迫性障害になる前から心療内科に通院

していました。

そこで、先生に診断書を書いてもらい会社に提出。

2ヶ月間の療養期間をいただきました。

ただ、こう言った精神的な問題に関して、世間では

まだまだ受け入れてもらない部分も多くあり、診断書の

提出はかなり勇気のいる行為だと思います。

もしも、会社に提出する時は、会社を辞めても良いと言う

強い意志が必要になるかと思います。

そして、会社が診断書を受け入れてくれたとしても安心

してはダメです。

会社の規則で定められた期間以上は、認めないなどの規則が

あると思いますので、その期間内に療養は終わらせましょう。

そして、私の会社では1ヶ月ごとに会社と話し合いが

ありました。

最初は、ゆっくり治してください的な事を言われますが

1ヶ月を過ぎると、会社側も早く復帰してくださいと症状の

事は、考えてくれませんでした。

よって、私は強迫性障害が療養期間中、治る事もなく

そのままの状態での職場復帰になりました。

勿論、療養期間中は、強迫性障害を治すために色々と努力は

しましたが、その努力も療養期間中には報われませんでした。

そして、悲しい事に強迫が少し悪化してしまいました。

治すための療養なのに、逆に悪化するという悲しい結果に

なってしまいました。

何故、悪化してしまったのか?

療養すると言う事は、今まで学校や会社で過ごしていた

時間が全て自由に使えると言う事です。

普通の人がこんな療養の期間をもらったら、きっと

やりたい事が沢山あるでしょうが…。

強迫性障害になって、療養される人にとっては心が

休まる暇が無いのが現状です。

学校や仕事で疲れ果てての療養ですから、療養初日から

数日間は、その疲れが少し緩和されますが…。

強迫以外は健康なので、少しずつ緩和された疲れも

徐々に戻ってきます。

学校や職場など、人間関係が少なくなる分、精神的な

余裕も生まれてきます。

ですが、強迫性障害は、この精神的な余裕の部分に入り

込んでくるのです。

不思議と物事に集中している時は、強迫観念が入って

こないと思います。

でも、束の間の暇な時間などに強迫観念は襲ってきます。


私の経験からお話しすると、療養の期間中、精神的な

余裕が出来た部分に、他の強迫観念が追加されて

いきました。

それまでは、確認だけが大変だったのに、加害恐怖が

出てきたり、汚染恐怖が出てきたり…。

強迫性障害による初めての療養で、この時は適切な対処が

全く出来ていませんでした。

こちらの適切な対処が出来るようになったのは、療養も

終わって職場復帰してからでした。


今、頑張っている人にも療養中の人にもお伝えしたい事が

あります。

それは、新しい強迫観念は、早いうちに打ち消してください。

今まで大丈夫だったのに、余裕が出来たとばかりに入ってくる

新しい強迫観念。

今まで大丈夫だった事が突然、ダメになる事は無いです。

なので、早めに打ち消す事が大事なのです。

ちょっと新しい事が気になっても、無視しましょう。

そして、何も起こらなかった事で安心できると思います。

新しい強迫観念に付き合い始めると、その強迫までもが

強くなって、余計に自分を苦しめる事になってしまいます。


療養中の罠に、引っかからないようにしてください。

自分が今、持っている強迫観念、それだけを治すように

心掛けましょう!

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