俺の妹攻略
しゅぅらまる
俺の大嫌いな妹
俺は、運動神経、学力などの全てのステータスにおいて普通な高校2年生。
名前は佐藤拓也。
そんな自分にとって唯一の自慢できることと言えば...可愛い妹が1人いる。俺自身は全く嬉しくないのだが、ただそれだけである。しかし俺と妹の間にはある大きな問題がある。これについては後ほど...
「たっくぅーーん♡」
このウザったらしい喋り方で話しかけてくるのは俺のとも...いや、敵の吉川大介。こいつとは中学の時からの付き合いである。
「うざい」
俺は大介を冷たくあしらった。
「あれれぇ、いつにも増して元気ないね~」
その原因の半分はお前である。
「はぁ、べつに」
「なんかあったん???」
俺はこの疑問について答える事は出来ない。何故なら...恥ずかしいから。
事は数時間前、学校に登校してくる前。
「お兄ちゃぁん、あさだよ~♡」
「んんー...ぎょええ!」
目を覚ますと目の前には裸エプロン姿の金髪美少女がいた。そうこのはた迷惑な美少女こそが俺の妹、佐藤アイラである。現在僕と同じ学校の1年生で、俺が中3の時からこの関係は続いている。もちろん、色んな事情で兄弟になってしまっているが、血は繋がっておらず、アイラはハーフである。
「朝ごはんできたのだァ♡」
「」
「...朝ごはんできたのだぁ♡」
「出てけ」
妹はしょんぼりした様な表情を浮かべると早々に部屋から出ていこうとした。ドアの前で振り返り、
「つまんねぇなクソ」
と、妹は低い声で吐き捨てた。
「うるせぇ、てか、ほんとに飯作ったのかよ」
俺が聞いてみると、
「作るわけねーだろばーか!」
「てか、早く飯つくれやクソ兄さん!」
そう、冒頭で言った俺達の問題とは、簡単に言うと...
とてつもなく仲が悪いのだ。こいつは高校も不登校気味であった。原因は、アイラは慣れている人としか会話をすることが出来ないので、クラスで浮いてしまったのである。入学式から1週間ほどで不登校になってしまった。
「まぁ、家庭の事情ってやつさ」
大介は首を傾げ、
「家庭の事情って??」
俺はある決意を語った
「まぁいろいろ、それより俺はきめたぞ。妹に俺の方が身分が上ということを教えてやる!」
余りにも妹の態度が気に入らず、苛立ちがマックスになった俺は、あの生意気な口を閉じさせてやろうと決めた。
「は、はぁ。よく分からんががんばれ!!」
俺は学校からダッシュで下校するや、すぐに妹の部屋の前にたった、そして勢いよくドアを開けた
「アイラ!!お前にはな...」
「キャー!!」
バシッ、
なにが起きたかと言うと、そこには全裸でベットに座りケータイを眺めていたアイラ。そして電光石火の速技でビンタされる俺。
「ご、ごごごごめん!」
あまり状況を理解できないまま、俺はとっさに謝った。
「ノックぐらいしろぉぉぉ!」
アイラは物凄い迫力で俺を罵倒した。
俺は部屋の外に蹴飛ばされ、ドアを勢いよく閉められた。初めて見る女の子の裸だったが、あまりにも一瞬の出来事だったのでやましいことを考える暇もなかった。
1分ほどたった後、部屋の中から
「死んでこい」
とても冷たい声で放たれた言葉に俺は身震いをした。
いや待て、そんなことより大事な話が!!...と思ったが流石の俺も今回に関しては諦めた。
「少ししたらまた来よう」
そう決めて、俺は自分の部屋に戻った。
「それにしてもどうすっかな〜」
今回はお手上げだった。あんな事があった後だ、まともに話を聞いてくれるはずがない。今のうちに説明しておこう、今回の作戦はこうだ。...と説明するのはめんどくさいので簡潔に言うと、一時的に休戦提供をしてなかの良い兄弟になろうと言い、その流れでライトノベルのように妹を自分に惚れさせ、妹の主導権を握るという作戦だ。
「...むりじゃね」
だが他に何も思いつかないのでこれで行く!そう決めたのが運のつきでした。
妹、俺、リビングにて
「あんた、今回の件、どう落とし前つけてくれるわけ」
妹が鬼の形相で問い詰めてきた。
「えっと...そのー、無かったことには...」
「ダメに決まってるでしょ」
「すいません」
いやいや待てよと、俺は開き直った。
「今回は不可抗力だろ!俺が怒られのはおかしい!」
妹の顔が更に怖くなった。
「そんなの関係ない。見たもんは見たんだから」
「ぐぬぬぬ」
俺はあんなに大口を叩いたくせして、完全にアイラに主導権を握られていたのであった。
「じゃ、じゃあどおすれば」
「...」
反応がない。
「おいってば」
「..................して」
声が小さくて聞こえない。
「何だって?」
「もっと私に優しくして!!!」
今度はしっかり聞こえた、だがしかし、次は意味がわからなかった。数秒の間があった。
俺の妹攻略 しゅぅらまる @syuike
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