709神猫 ミーちゃん、憐れすぎてなにも言えません。

 さすがにこれはまずいと思ったようで、神人たちは跪く。


 正直、遅い。



「お前たち神人は傲慢なだけでなく無知蒙昧だな。若い世代とやらに言っておけ、神に弓引くならその覚悟をしておけと。魔王以前に神自らお前たちを滅ぼしてやるとな」


「……」


「我々、ドラゴン族は同盟者として異界の神に味方する。これはドラゴン族の長である次元竜の言である。しかと、理解せよ」


「み、み~?」



 ニヤニヤ顔のヴェルさんが神人を見下した感じで言い放つ。ミーちゃんはそ、そうな~ん? って戸惑っているね。成り行きだが、それでいいのです!



「まだ、言いたいことはあるか?」


「ない」



 立ち上がった神人たちの顔は無表情。このリーダーもさっきと一変して無表情になっている。



「み~?」



 なんだ? 凄い違和感を感じる。さっきまでの表情はなんだったんだ?



「君の意見に納得のできない若い世代の一部が、我々のコミュニティから離脱した。おそらく、ここに来るだろう」


「なにしにですか?」


「み~?」


「力で君たちを抑え込むつもりだろう」



 あぁ、やっぱりね……。若い世代ってのは神人の慣れの果ての十二使と似たような奴らなのかもしれない。本気で神格を持つミーちゃんと戦う気か? 愚かとしか言いようがない。



「グラム、アレックス、クラウディア、少し教育を施してきなさい。全力で丁寧に、お互いが納得のいくまで存分におやりなさい」


「わかった」


「「承知しました」」


「みっ⁉ み~」



 頑張ってね~じゃないでしょう! そこは、止めるところでしょう!



「み~?」



 三人が席を立ち、ハンターギルド本部の外に向かっていく。王都から離れているとはいっても、ドラゴンが本気で戦ったら大惨事確定だ。



「全力で本気出しちゃ駄目ですからね! 王都方面にブレスを吐いちゃ駄目ですからね!」


「神人次第だ」


「ヴェル様の命だからきっちり教育してくる」


「まあ、気をつけますわ。忘れなければですけど」



 おいおい! る気満々じゃないですか!



「な、なにが始まるというのだ……」


「ブロッケン辺境伯、答えろ!」


「み~」



 こいつらに律儀に答えなくていいよ。えっ? こいつらに神人とドラゴンの戦いを見せるのは面白いかもって?


 う~ん、確かにそうかも……。



「これから外で神人とドラゴンの戦いが始まる。見てくるがいい。そして、気づけ! 己たちが如何に矮小で愚かな存在だったとな!」


「神人とドラゴンの戦いだと⁉」


「まて⁉ では、この者たちは神人なのか!」


「我々以外にも神人の生き残りがいたのか……」


「皆を呼ぶぞ! 我々も神人勢に加勢せねばならん!」



 馬鹿だな。大馬鹿だ。自分たちが劣化した神人だと、まったく気づいていない。


 これからここに来るのは、最初にこの星に降り立った世代に比べれば劣化はしているといえ、それでもハンターギルド本部の連中に比べたら天と地ほどの差がある奴らだ。



「行っちゃたね」


「み、み~?」



 大丈夫じゃないと思うよ?



「あれが我々の子孫……。あそこまで堕ちるか」


「力だけなら、人族の中では上位に入るでしょう。ですがそれ故、あなたたち以上に傲慢。神人の末裔としてのプライドが高すぎ、自分たち以外のすべてを見下す。あなたたちの悪いところだけを受け継いだ出涸らしってところです」


「み~」


「「「「「……」」」」」



 なにも言えないのか、それとも他人事としてまったく興味がないのか無言だ。



「それだけでじゃない。もう、あの者たちは神力を感じ取れない。己の中にある神力さえ、それが神力であるとわかっていない」


「み~」


「「「「「……」」」」」



 故にミーちゃんの神としての偉大さに気づかない。神人が神人たる力を理解できなくて、神人といえるのだろうか?


 十二使とやらがこの地中船の本来の持ち主であった神人たちから何世代経っているかわからないけど、ここまで劣化すると強い普人族と言われても納得できてしまう。


 どこかで受け継がれてきたことが途絶えたのだと思う。不慮なことで途絶えたのではなく、都合のいいように変えられたとも考えられる。


 だが、そのせいで神力を扱う術が途絶え、神力の意味さえ忘れ去られた。なぜ、勇者が強く、そして魔王を倒せるのかさえも知らないだろうな。



「助けに行かないんですか? あの人たち本気で戦闘に参加したら、怪我どころか死人が出ますよ? 一応、あなたたちの子孫でしょう?」


「み~?」


「確かにあの者たちは我々の子孫で僅かながら神力は持っている。だが、我々のコミュニティに入れない時点で神人とは言えない。すでに、別の種族と言っていいだろう。となれば、我々が干渉すべきことではない」


「みぃ……」



 凄いというか酷いというか……。子孫であろうと、もう別の種族と割り切った以上、生きようが死のうが干渉しないを貫くみたいだ。


 憐れ、十二使たち……。



「みぃ……」





猫(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ猫


書影の解禁はまだですにゃ。

今少しお待ちくださいにゃ。

格好いい表紙になっていますにゃ!


11/5 『神猫ミーちゃんと猫用品召喚師の異世界奮闘記9』発売ですにゃ!


王都の真下に現れた流れ迷宮の中にあったのはゴブリンキングダム⁉ なぜ? 流れ迷宮の中にゴブリンキングダムが? 魔王ゴブリンキングがいるのか? 誰がゴブリンキングと戦うの?


書下ろしストーリー満載の九巻。

Web版では語られない魔王側の話も載ってるにゃ! 

買わなきゃ損の神猫九巻!

買って読んでくださいにゃ~!



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