702神猫 ミーちゃん、ミーちゃんに祈るの~?

「神人です」


「「⁉」」



 そりゃ、驚くよね。伝説上の種族だ。そう簡単に会えるものではない。



「以前に運良く、神人の一人と会うことがありました。その神人と話をし、あの奥にあったお墓のご遺体を引き渡したいと思っています。話次第では、神人の末裔である老害どもと会わせるのは吝かではありません」


「み~」



 ミーちゃんは楽観的に考えているが、俺の考えは違う。ご遺体を引き渡すのは善意だ。あのままにしておくより、ちゃんと弔ったほうがいいと思っている。


 だが、老害どもとの引き合わせは違う。神人たちに自分たちの子孫に失望してもらい、将来すべての神人がああなるとの危機感を持ってもらうためだ。



「驚きじゃな。だが、神人と会うだけなら危険はないのではないか?」


「そうですな。神人と会う機会など滅多にない。会ってみたいものです」



 気持ちはわかる。大昔、この世界を支配していたといわれる伝説上の種族だからね。いろいろ、聞きたいこともあるだろう。



「老害どもは傲慢な性格でした。あれは神人の血を受け継いでいるから、性格も似ていると考えています」


「確かに、あの老害どもは選民思想を持ち、ほかの者には傲慢であった」


「神人も同じと?」


「み、み~」



 全員が全員そうなのかは知らない。神人自体が自分たちを傲慢とは思っていない節がある。それこそが、傲慢とも考えられる。


 なんといっても、烈王さんたちドラゴンがみな口を揃えて傲慢な種族と言うのだから、ドラゴンたちが会った神人たちは傲慢だったのは間違いないだろう。


 クイントの流れ迷宮の管理者は少しまともに見えたが、結局上位者であるミーちゃんに対して敬うといった態度はなかった。


 今のミーちゃんは烈王さんの修行の成功? 失敗? のせいで神として階位が上がっている。今のミーちゃんはどこかの世界の主神となっていてもおかしくないらしい。


 簡単に言えば、このマヤリス世界の主神フローラ様や地球のポンコツ神様と同等になったということだ。


 そのミーちゃんに対して文句を言ってくること自体が傲慢である!



「傲慢な種族で、中にはドラゴンと戦う力を持った者もいると聞いています。私もそんな相手と丸腰で合う気はありません。今回の会談はドラゴン立会いのもと行います」


「み~!」


「「ドラゴンか……」



 二人の視線がグラムさんに向く。グラムさんは気にせず、いつもどおりぼーっとしている。ほんと、興味ないことには一切聞く耳を持たないね。



「ドラゴンは神人を毛嫌いしています。もし、少しでも神人がドラゴンの気に障るような暴言を吐けば、一種即発。俺に止める術はありません」


「なんで、そんな相手を立会人に選んだのじゃ……」


「致し方ないとはいえ、神人とドラゴンが戦えば世界の終焉ではないのか?」


「み~? みっ! み~」



 えっ? 喧嘩になったらゴブリンキングダムで戦わせるの? まあ、あそこなら誰の迷惑にもならないけど、ちょっと場所的に遠くない?



「みぃ……」


「なにやら子猫が凹んでおるぞ?」


「凹んでいても可愛いですな。エバくんがギルドに残したいといった意味が理解できる」


「み~!」



 ミーちゃんの可愛さが認められ嬉しい反面、ミーちゃんだけはってところが納得がいかない。俺はどうなってもいいってことかい!



「そこまではしませんよ。ドラゴンからすれば、じゃれ合っているようなものです」


「み~」


「そのじゃれ合いで世界が滅びかねんのじゃが……」


「スケールが違いすぎて否定できないのが怖いところですな」



 神人もドラゴンも馬鹿じゃない。馬鹿じゃないと思いたい。問題はヴェルさんだ。彼女が怒った場合、本当にクリスさんとラルくんで止められるだろうか? そこは神に祈るしかないね。ミーちゃんよろしくねぇ~。



「み~?」



 さすがに、ゼストギルド長とセリオンギルド長も立ち合いは無理と諦めてくれた。



「では後日、日時を教えてくれ。監視している者たちを引かせる」


「ちなみに、あの本部は必要ですか?」


「何を言いたいんじゃ? ネロくん」



 ハンターギルド本部として使わないなら、回収しようと思っている。壊れて動かないけど、直せば使えるかも。直せなくても、ばらして材料にすることができる。


 なので、上手く話をもっていきたい。


 あいつら神人の末裔に持たせていても宝の持ち腐れ。どうせまともに使えないし、あんなのを持っているから神人の末裔なんて考えて傲慢になるのだ。


 あんな馬鹿どもに持たせておくくらいなら、俺がもっと有効活用してあげよう。



「み、み~」








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る